女性の怨みに取り憑かれる恐怖を描くホラー映画。
サラ・カーノチャンとクラーク・グレッグの原案をクラーク・グレッグ自身が脚色して、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキスが監督している。
主演はミシェル・ファイファー、共演はハリソン・フォード。
あらすじ
デュポン研究所の研究者ノーマンと子連れで再婚したクレアは、娘ケイリトンが手元を離れて大学に入学し夫ノーマンも仕事で忙しく、妻クレアは湖畔の自宅で寂しい夏を送っていた。そんなある日、隣に引っ越して来たフューアー教授の若妻メアリーが突然姿を消す。刺激を求めていたクレアは、彼女の夫が殺したに違いないと思い、探偵気分で調査を始める。その頃から彼女は、ポルターガイスト現象に襲われ始める。
そこでクレアは、メアリーの霊を呼び出すため、友人からジョディとともにこっくりさんをしてみる。ところが当のメアリーが、ひょっこり帰ってくる。彼女は、急な環境の変化に適応できずヒステリーを起こしたが、夫の献身で癒されて復縁したのだ。
しかし、クレアの周りのポルターガイスト現象は続いていた。ふとしたことから、美人の大学院生マディソンが一年前に行方不明になったことを知る。クレアはノーマンを質問するが、はぐらかされる・・・。
雑感
導入部分はよかった。しかし、1時間足らずで隣人の妻メアリーが現れてしまうと、残り時間を被害者探しに割くことになる。ところが、この脚本では被害者が誰かの部分を縮めて、被害者がクレアに似た学生であることがわかり、当然ノーマンが怪しいことになってしまう。
それでも、「ノーマンは結局は犯人ではないのだろうな。だって、まだ残り時間は、50分もあるんだもの」と言って、楽観的に構えていた人もいただろう。
ところが、ノーマンの証言は二転三転する。刑事ではなくてもそう言う場合の犯人はわかる。ところが、それからの殺し合いがダラダラと続いて、良い加減しつこい。1時間半で十分な映画だった。。
クレアがマディソンの霊に時々助けられるから、結論は見えている。
どうして、もっと面白い脚本を選ばなかったのか。こんなつまらない脚本でも大スターが出演するものだから、脚本家は良い脚本が書けなくなる。
ハリソン・フォードの悪役も下手だった。もっと積極的にギャング役に挑戦するべきだった。ロバート・デ・ニーロの爪の垢を飲むべきだ。
スタッフ
監督 ロバート・ゼメキス
原作 サラ・カーノチャン、クラーク・グレッグ
脚本 クラーク・グレッグ
製作 スティーヴ・スターキー、ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ
製作総指揮 ジョーン・ブラッドショウ、マーク・ジョンソン
音楽 アラン・シルヴェストリ
撮影 ドン・バージェス
キャスト
夫ノーマン・スペンサー ハリソン・フォード
妻クレア・スペンサー ミシェル・ファイファー
友人ジョディ ダイアナ・スカーウィッド
ドレイトン医師(精神科) ジョー・モートン
ウォーレン・フューアー(心理学教授) ジェームズ・レマー
メアリー・フューアー(妻) ミランダ・オットー
マディソン・エリザベス・フランク(行方不明の女子大学院生) アンバー・ヴァレッタ
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クレアは、マディソンの実家を訪ね、彼女の髪を手に入れる。その夜、再びノーマンを詰問すると、彼はマディソンとの関係を認めたが、行方は知らないと言った。
クレアは、家出をしてジョディの家に泊めてもらう。ジョディは、一年前に言い争いをしているノーマンと若い女性を見たと言う。
翌日、家に帰るとノーマンが浴槽で感電していたが、一命は取り留めた。突然ドライヤーがバスタブに落ちたらしい。ノーマンは、この機会にやり直そうとクレアに語る。
しかし、クレアは、ノーマンを疑い続けていた。そして自宅の前の湖に潜って、箱を見つける。その中からマディソンが身につけていたネックレスが出てくる。ノーマンがマディソンを殺したのだ。クレアは、ノーマンに自首せよと訴える。
しかし、ノーマンは逆ギレして薬でクレアが動けないようにして、バスタブに沈めて殺そうとする。その試みはマディソンの霊の力で失敗する。
クレアは、外へ逃げて助けを呼ぼうとする。そこへノーマンが追いかけて来たので、車で逃げる。ノーマンも車に飛び乗り、ハンドル争いをするうちに、湖に落ちる。そしてクレアは自力で泳いで脱出するが、追い縋るノーマンをマディソンの霊が湖底に引きずり込んだ。
深々と雪の降る冬になっていた。クレアは、命を救ったお礼を言うため、新たに出来た元愛人マディソンの墓に参っていた。