◎総評

既にHifiman HE1000SE が誕生したが、HE6SEもまだ生き残っている。
HE1000SEでは解像度が高すぎるために音がきつくなることがある。
特にピアノは強打した時に音が割れることがよくある。再生系によっては、それがうるさく耳につくことがある。
そういう場合、HE6SEの方が音圧が低くて、耳に刺さることがあまりない。逆に言えば、柔らかい音がする。
ところが、スネアやシンバルの音の立ち上がりは十分に早い。不思議なヘッドホンだ。

総論の最後に、並のヘッドホン・アンプでは鳴らしきれないことを覚悟しないといけない。HIFIMANはスピーカー用のパワーアンプを使わせるつもりだ。並のHPアンプなら、ボリューム位置は正午から午前三時ぐらいになるだろう。
でもIFI のブラックラベルやifi PRO iDSDなら大丈夫だ。

私が使っているオーロラサウンドのHEADAと言うアンプも力が合って良い。

◎部門別評価

満足度
デザイン 4
高域 4
中域 3
低域 4
音漏れ 2

軽いドンシャリ系
丸いハウジングは楕円より好きなので、デザイン点は高い。
中域は、高域と低域の間に埋もれることもあり、ボーカルの存在感が薄いので3点。同社のヘッドホンARYAの方が音の実体感はしっかりしていた。
当然HE1000SEには創造的には敵わないが、唯一HE6SEが勝っているとすれば、音の柔らかさである。

◎ジャンル別

ジャンルはクラシック向きだ。小編成の方が良いと思う。

ポリーニ演奏 ショパン練習曲集 op.10 & op.25 (DG)

指圧の強さで一時期人気者だったポリーニを選んだ。CDになってから最も良く聞いたピアノ曲である。しかしオーディオ装置が良くなるにつれて、耳が良くなり振動対策も追いつかなくなり、聞いてみると付帯音が強調されるようになった。
ハイレゾでもヘッドホン試聴なのに、付帯音が気になって仕方がない。HE1000SEでも解像度が高すぎてダメだった。
しかし、HE6SEになると、まろやかになりギリギリ聴けるようになった。
ジャズで言うとチック・コリアの若い頃のソロナンバーをうるさく感じることがある。それも耐えられる範囲だった。
他のヘッドホンやDynaudioのスピーカーではダメだったが、HE6SEだけは指圧の高いピアニストのソロに耐えるのだ。

とはいえ、他のヘッドホンでも彼らに対応できるように、オーディオの振動対策も十分に行っていかなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘッドホン Hifiman HE6SE

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