デノンのフラッグシップ機ハウジングは竹という変わり種。
24Ω、105dBの密閉式。ポータブル用としてもアンプと繋いでも構わない。

満足度 5
デザイン 4
高域 5
中域 4
低域 5
音漏れ 3

HDVA600 = ifi audio micro iDSD Black Label と繋いで評価。
パッと聴きには、平凡と感ずるかもしれない。特に派手な音ばかり聞いているとそうなるだろう。
高音はキツイが刺さることはいまだにない低音が締められて緩い部分が全くない。特にベースはベストかもしれない。それでいて音の粒立ちは良い。これらを総合的に考えると、A&K AK T5p 2nd より値段も張るが優秀。
ただし最新録音に関しては、AK T5p 2nd の方が派手で切れ味が良い。

ボーカルはカーペンターズの「シングルズ」一曲目「イエスタデイ・ワンスモア」は、ストリングス以外の楽器がボーカルに寄り添っていて、音場が詰まり気味で密閉式の特徴が出ている。

FAKiE の「アクエリアス」はナイロン弦ギターと女性ボーカルだけだが、スティールと比較してナイロンのちょっと緩いところがすごく良くわかる。AK T5p 2nd だとナイロンもスティールっぽい切れ味があった。これは本当はやりすぎだろう。

ムラヴィンスキーの「チャイコフスキー交響曲4〜6番」は指揮者の生真面目さがよく出ている。部屋の狭さを感じず、反響音もあまり感じず、無響室で聴いているようだ。

Led Zepperin のファースト・アルバム一曲目もバスドラがよく締まっている。ベースの音はバスドラに隠されているような気になる。実際はベースソロもよく聞こえるが、ボーナムのバスドラが活躍しすぎかもしれない。

Keith Jarrett の Standards I,II の Gary Peacock もベースの音は小さめだが音程はわかりやすい。

最後に桜田淳子「ゴールデンベスト」ハイレゾで聴く「しあわせ未満」は、すばらしく良い。バックが目立ちすぎずボーカルを立てる。ボーカルが休んでいるときにバックメンバーがソロを取るがビクターのエンジニアの思惑通りにヘッドホンは再生する。ヘッドホン・メーカーはデンオンなのに。

音のコントロール(制動)が上手いのだが、締めすぎてしまって、つまらない音と感じる人もいるだろう。しかし他の密閉式ヘッドホンに長所があるとしてもさらに大きな短所があるはずだ。
それにこのヘッドホンはボリュームを上げれば、素直にそのまま反応する。上げれば上げるほど音量は上がっていき破綻を見せない。ここもポイントの一つ。

ヘッドホン Denon AT-D9200

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