フィリップ・K・ディックの小説を元に、レプリカントと呼ばれる人造人間と彼らによる犯罪を追う捜査官の戦いを描いた傑作SFアクション映画の続編。前作から30年後となる2049年の世界を舞台にした物語がつづられる。

監督はドゥニ・ビルムーヴ。前作監督リドリー・スコットは製作総指揮。

ライアン・ゴズリングが主演を務め、前作で主人公を演じたハリソン・フォードも引き続き出演する。

あらすじ

2049年、ロサンゼルスは地球温暖化のために、夏でも雪が降っていた。新型レプリカントKは、旧型を解任(処刑)する役目を与えられていた。Kは自宅では家庭用AIジョイと楽しく暮らしていた。
Kは郊外で逃亡レプリカントのサッパー・モートンを処刑する。そして枯木の根元に隠してあった遺骨を発見する。検死の結果、女性レプリカントのレイチェルが妊娠し帝王切開したものとわかる。
ジョシ警部補は社会不安を避けるため、Kに事件の証拠を消滅することを命ずる。一方レプリカント・メーカーのウォレス社長は、レプリカント生殖の謎を解明しようとした。彼は有能なレプリカントのラヴにレイチェルの子供の行方を探させる。

Kはデッカードの友人ガフを訪ねるが、デッカーとのことを何も知らない。遺骨のあった場所に戻ると、根に彫られた数字の刻印など重要な証拠を発見する。K自身の疑似記憶にある木馬の刻印であった。

Kは2021年6月10日出生者のDNA記録を調査する。同一のDNAを持つ双子らしい男女の2名の記録を発見、孤児施設にいたが一名は病死したことを知る。Kは孤児施設での調査で木馬を発見し、自分こそが探していた子供と確信する。ジョイはKに「ジョー」という名を与える。
Kはレプリカント用記憶作家のステリン博士を訪ね、記憶が本物か調べてもらう。しかしステリンは他人の記憶であると回答する。
Kは不安定になり、ジョシに連れ戻されて停職処分を受ける。

木馬の材質がラスベガス産と判り、Kはラスベガスへ向かい、隠遁していたデッカードを見つける。デッカードはKに、子供とは一切拘ったことはないことを打ち明けた。

ラヴはジョシを殺害し、Kの所在を探り出してラスベガスに急行してデッカードを誘拐する。Kはラヴに叩きのめされ、エマネーターは破壊され、ジョイも消滅する。

Kはフレイザの「レプリカント解放運動」に救助される。フレイザは、レイチェルの生きている子が女児だったことを明かす。Kはそれがステリン博士だと勘付く。フレイザはステリン博士の安全のため、口を笑される可能性が高いデッカードを拉致して殺害するようKに依頼する。一方、ウォレスはデッカードのために再生したレイチェルを用意するが、デッカードは髪の色が違うと言って拒絶する。

ラヴはデッカードを拘束して地球うがいに移動しようとするが、発進直前にKの攻撃を受ける。格闘で身体中を傷つけられながらもKはラヴを押さえ込んで溺死させた。そしてフレイザの命に背いてデッカードをステリンに引き会わせる。その後、Kは雪を眺めながら息を引き取る。

 

雑感

CGの黎明期に話題になったサイバーパンク映画。その続編を現在の技術で再現した。
オリジナルの「ブレードランナー」を思い出しながら、見ていた。前編のショーン・ヤングは髪型以外あまり印象に残っていない。だからレプリカントの生殖と言われても???だったが、確かに原作ではアンドロイドだったが、映画でレプリカントと呼んだ時点で既に変わっていたことにようやく気が付いた。両者は異なるのである。特に今回の続編はエレクトロニクスでなくバイオテクノロジーが中心になっている。妊娠したって出産したっておかしくない。出産できれば人間と同じ、あるいはそれ以上の地位にも立てる。
正続ともにレプリカントのアイデンティティーが主題の映画だ。

長ったらしいけど、さほど気にならなかった。前作には画像が暗すぎて深入りできなかったが、今作は照明技術が上がって見やすかった。

なお前日譚が三本用意されている。そのうち、2022年を描いた「ブラックアウト2022」は日本のアニメーションで、テロリスト時代のサッパー・モートンが主人公だった。他二作品は「2036ネクサスドーン」「2048ノーウェア・トゥー・ラン」。

 

スタッフ

製作総指揮 リドリー・スコット 他多数
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本 ハンプトン・ファンチャー 、 マイケル・グリーン
音楽 ヨハン・ヨハンソン 、 ベンジャミン・ウォールフィッシュ 、 ハンス・ジマー
原案 フィリップ・K・ディック、ハンプトン・ファンチャー
製作 ブロデリック・ジョンソン 、 アンドリュー・A・コソーヴ 、 バッド・ヨーキン 、 シンシア・サイクス
撮影 ロジャー・ディーキンス
プロダクション・デザイン デニス・ガスナー

 

キャスト

リック・デッカード  ハリソン・フォード
K捜査官(ジョー)  ライアン・ゴズリング
ジョシ警部   ロビン・ライト
AIジョイ    アナ・デ・アルマ
ラブ      シルヴィア・フークス
サパー   デイヴ・バウティスタ
ウォレス氏    ジャレッド・レト
ガフ     エドワード・ジェームズ・オルモス

 

 

 

ブレードランナー2049 Blade Runner 2049 (2017) アルコン・エンタメ製作 ワーナー・ブラザーズ配給 ソニー国内配給

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