ブラック・ウィドー Black Widow 1986 アマーセント・フィルムズ製作 20世紀フォックス配給
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富豪男性と次々に結婚し、相手を殺害して巨万の富を築く女と、司法省の女捜査官の対決を描くサスペンス映画。製作はハロルド・シュナイダー 、監督はボブ・ラフェルソン 、脚本はロナルド・バス 、撮影はコンラッド・ホール。
主演はテレサ・ラッセル、デブラ・ウィンガー 、共演はサミー・フレー ほか。
あらすじ
4カ月前に出版社社長ピーターセンと結婚したキャサリンは、夫と死別し若くして未亡人となり遺産を相続する。彼女はその後名を替えて、ダラスの玩具メーカー社社長ダマーズと再婚した。結婚6カ月でまたダマーズは急死する。実は彼女が毒殺したのだ。遺言状でキャサリンは実妹を差し置いてで遺産を独占したが、妹が弁護士を立てると遺産を妹に50万ドル譲ることで和解した。
次に彼女はシアトルの富豪ウィリアム・マコーリーに巧みに近づき結婚する。ワシントンDCの司法省に勤める女性調査官アレックス・バーンズは、連続して起きた富豪の死亡事件に疑惑を抱き、消えた未亡人に疑いの目を向ける。新聞記者に化けて、今はマコーリー夫人と呼ばれるキャサリンの周囲を嗅ぎ回るが、キャサリンは捜査の手が近付いたことに気づき、ウィリアムを殺害するとすぐ姿を消す。
キャサリンの行方を探すアレックスは、キャサリンがハワイに向かったことをつきとめた。キャサリンはホテル王ポール・ナイテンを次のターゲットにして、やんわりと誘いを掛けていた。キャサリンはスキンダイビングの講習を受けていたが、アレックスも講習に加わり女性二人は自然と知り合う。
しかしキャサリンはアレックスが中国系の探偵と相談しているところを見かけて彼女が捜査官だと気付き、アレックスがポールとデートするように仕向ける。そして探偵に、2人がデートしている場面を写真に撮らせた。
キャサリンに美しく着飾ることを教わって自分の魅力に目ざめたアレックスにポールは一瞬魅了される。しかしアレックスがポールに抱かれるや否や、キャサリンはポールに対して積極的にアプローチして、ポールを落として結婚した。女性としてのプライドを傷つけられたアレックスは結婚式に日に、キャサリンに黒後家蜘蛛のブローチをプレゼントした。
やがて探偵が謎の麻薬中毒で亡くなり、次にキャサリンの旅行中ポールが急死する。容疑は嫉妬に狂うアレックスにかかり、彼女は逮捕される。キャサリンは留置所でアレックスに面会した。するとかつての夫の秘書サラが現れて、行方不明の未亡人だと正体がバレてしまう。さらに死んだはずのポールも姿を現わした。アレックスは、ウィスキーに毒を混入したことを察知していて、キャサリンを罠に嵌めたのだった。警官に逮捕されたキャサリンの後を追うポールを無視して、アレックスは一人で留置所を去るのだった。
雑感
ブラック・ウィドー (黒ゴケグモ)は交尾の後、メスがオスを食べてしまうことがある。従ってファム・ファタールの隠喩になっている。
犯人(テレサ・ラッセル )を調査官(デブラ・ウィンガー )が捕まえても、調査官が愛していた男は懲りずに逮捕された犯人の後を追う終わり方が気に入っている。
調査官にとってのハッピーエンドも脚本では考えられたが、キャンセルされた。
何故キャサリンは次から次へと金持ちの男と一緒になって、一年もしないうちに毒殺し続けるのか。一つの解はサイコキラーだろう。
ここではそうではなく、純粋にお金が足りなくなったと思う。彼女に頭はいいが経済観念はあまり働かない。未亡人としての収入は遺産相続した現金中心で投資運用益を考えていないようだ。親戚を黙らせるためには、ある程度の遺産を親族にも分割することもやむを得ず、派手な生活を続けていれば、どんどん懐が寂しくなる。だから次の犠牲者を探死続けなければならない。
VIDEO
毒婦役のテレサ・ラッセル はニコラス・ローグ監督と当時結婚したばかりだったのだが、体当たりの全裸演技で観客の度肝を抜いた。
調査官役デブラ・ウィンガー の肌の露出はビキニぐらいだ。体で勝負するのでなく、純粋に演技で勝負していた。
演技派のデブラ・ウィンガー は「愛と青春の旅立ち」のユダヤ系ヒロインから常に第一線で活躍してきた大女優だったが、ティモシー・ハットンと1990年に離婚後、「シェルタリング・スカイ」や「永遠の愛に生きて」など話題作に主演し1995年の「彼と彼女の第二章」に出演した後、再婚して芸能界から離れる。2002年のドキュメンタリー映画「デブラ・ウィンガーを探して」で復帰して現在に至る。
テレサ・ラッセル は当時珍しい古典的ハリウッド美人で、「マリリンとアインシュタイン」「ブラック・ウィドー」の主演が有名だが、その後の作品はあまり輸入されていない。それでも1995年まで映画の主役級を続けていた。最近は脇役に回ったが、出演作は限られている。
スタッフ
製作 ハロルド・シュナイダー
製作総指揮 ローレンス・マーク
脚本 ロナルド・バス
監督 ボブ・ラフェルソン
撮影 コンラッド・ホール
音楽 マイケル・スモール
キャスト
アレックス捜査官 デブラ・ウィンガー
毒婦キャサリン テレサ・ラッセル
富豪ポール サミー・フレー
ベン・ダマーズ デニス・ホッパー
ウィリアム・マコーリー ニコル・ウィリアムソン
助手ブルース テリー・オクイン
秘書サラ ロイス・スミス
マイケル D・W・モフィット
リッチ レオ・ロッシ
シェリー メアリー・モノノフ
アイリーン ルタニア・アルダ
探偵シン ジェームス・ホン
エタ ダイアン・ラッド
関連
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01.映画 , 11.米国映画 , 26.米国(80年代) テレサ・ラッセル , デブラ・ウィンガー , ハロルド・シュナイダー , ファム・ファタール , フィルム・ノワール , ボブ・ラフェルソン , ロナルド・パス , 女の嫉妬
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