「スタア誕生」二度目のリメイク。今回は音楽業界とグラミー賞を舞台にして、主人公が栄光を勝ち取るために最愛の夫を失う姿を描いている。
製作総指揮および主演はバーブラ・ストライサンド。共演は歌手のクリス・クリストファーソン。監督はフランク・ピアソン。

あらすじ

ロック界の成功者ジョンは、黒人クラブでエスターの見事な歌唱力を発見する。翌日ジョンにコンサートに招待されるが、酔った彼はセットとPAを壊しコンサートは中止となる。この損失でジョンは到底払えないような負債を抱え込む。放送局がヘリコプターからインタビューを求めるが、怒ったジョンは発砲する。
謝罪に放送局を訪れたジョンはエスターと再会する。借金の取立てが行われ、ガランとしてしまったジョン邸で、二人はベタベタと愛し合う。ジョンは彼女の素敵な曲に歌詞を付けることにより、二人は一つになり結ばれる。
ある日、ジョンはコンサートで、彼女に歌うチャンスを与え、コンサートは大成功した。レコードは売れ、全米ツアーも決定した。エスターは自信がないというジョンを説き伏せて結婚する。

グラミー賞発表の日が来て、エスターが受賞する。式のステージに酔ったジョンが上がり、彼女の受賞の晴れ舞台を台無しにする。エスターにとってジョンは邪魔だった。ジョンは気づくが、愛してるエスターにはわからない。
ある日、バンドにも見放されたジョンはエスターに離婚をけしかけるため、薬中の雑誌記者をベッドに連れ込む。エスターはそれを見て怒るが、別れると言わなかった。
ジョンはマネージャーのブライアンを迎えに行くため、フェラーリで出かけて猛スピードを出しすぎて転覆事故で亡くなる。酒を飲んでいた。
数日後彼を追悼するコンサートが催され、偉大な歌手ジョンの死を皆が惜しんだ。悲しみからまだ立ち上がれないエスターの歌が流れてくる。ジョンのあの想い出の歌が、満員の聴衆の心に広がっていった。

雑感

他の「スタア誕生」と違う点が多くある。この作品が最も冒険した作品だった。
例えば蜜月を十分に長くして二人が荒野の真ん中でイチャイチャするシーンだが、こんなに長いイチャイチャを見て楽しいか。
バーバラは、ずっとノーブラばかりで胸を強調していた。
彼女は妻としてアルコール中毒の怖さに無頓着だった。
ジョンがアル中施設に入った様子がない。
音楽シーン以外は、全体的に静かな作品だ。

そして四作品中最も低い評価を受けている。
次作「アリー/スター誕生」はその脚本の問題点を洗い出して、より良いものに仕上げていた。

バーブラ・ストライサンドの歌は迫力があり、別格だ。主題歌「エバーグリーン」もインディアン救済大会で歌った「月に住む女」も最高だった。

クリス・クリスファーソンは映画主演経験はあったが、演技を学んでいないので、細かい恋愛感情表現が得意ではなかった。

スタッフ

製作総指揮 バーブラ・ストライサンド
製作 ジョン・ピーターズ
監督 フランク・R・ピアソン
脚本 ジョン・グレゴリー・ダン 、 ジョーン・ディディオン 、 フランク・R・ピアソン
原作 ウィリアム・A・ウェルマン 、 ロバート・カースン
撮影 ロバート・サーティース
音楽 フィル・ラモン 、 ロジャー・ウォーターズ
音楽監修 ポール・ウィリアムス

キャスト

新人エスター バーブラ・ストライサンド  (主題歌「エバーグリーン」でアカデミー歌唱賞)
歌手ジョン・ノーマン・ハワード  クリス・クリストファーソン
ブライアン(マネージャー) ポール・マザースキー
付人ボビー・リッチー  ゲイリー・ビジー
ダンジガー  オリバー・クラーク
クェンティン マルタ・へフリン
ベイブ・ジーザス M・G・ケリー
フレディー ジョアン・リンヴィル
モー  アンクル・ルディー

スター誕生 A Star is Born (1976) ファースト・アーティスト製作 ワーナー・ブラザーズ配給

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