(◎)フランク・ミラー原作のハード・ボイルド・コミック「シン・シティ」4つのエピソードを3つにまとめて映画化したアクション映画

監督はロバート・ロドリゲスフランク・ミラーの連名だが、クエンティン・タランティーノが一部でスペシャル・ゲスト監督として参加している。

主演はブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン
共演はベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、ジェシカ・アルパ、ブリタニー・マーフィ。

安物雑誌のような劇画タッチを出すため、白黒を基調としているが、一部にパートカラーを組み合わせた撮影手法を使っている。
日本では同年の秋、ギャガが配給した。

ストーリー

「罪の街(シン・シティ)」と呼ばれる無法地帯が主な舞台。
ある日、殺し屋「ザ・マン」がひとりの女性に声をかける。ザ・マンはその正体を隠して彼女をそっと抱き寄せて愛をささやく。その瞬間、ザ・マンは彼女に胸に向け銃の引き金を引く。ザ・マンは、死んだ女性の小切手帳を持って立ち去る。

EP3-1
老刑事ハーティガンは、連続幼女強姦殺人犯のロアーク・ジュニアの陰部を撃ち抜き、誘拐された少女ナンシーを救出する。その直後、ハーディガンは相棒だったボブに裏切られ、銃で撃たれる・・・。

EP1「ハード・グッバイ」
前科者マーヴは、高級娼婦のゴールディと一夜を共にする。マーヴが目を覚ますとゴールディは殺害されていた。殺人の罪を着せられたマーヴは、保護観察官ルシールの協力を得ながら真犯人を捜し回る。やがてマーヴは猟奇殺人犯ケビンと対決するが、倒されルシールも殺される。マーヴはゴールディの双子の姉妹ウェンディに会い、犯人の共犯にロアーク枢機卿がいることを知る・・・。

EP2「ビッグ・ファット・キル」
ドワイトは、新しい愛人シェリーにつきまとうジャッキー・ボーイを追い返すが、ジャッキー・ボーイ一味は娼婦街に乗り込み、ドワイトの元恋人ゲイルを拉致しようとする。そして娼婦のベッキーに銃を向ける。ジャッキー・ボーイは女暗殺者ミホに殺しされる。しかし、ドワイトはジャッキー・ボーイが実は悪徳刑事であることが知る。ドワイトはジャッキー・ボーイの死体を隠そうとするが、しかし、ベッキーの密告により、マフィアのマヌートの一味がジャッキーの死体を奪おうとする。さらにマヌートはゲイルを拉致し、ドワイトにジャッキー・ボーイの首を渡せと言う・・・。

EP3「イエロー・バスタード」
ジュニアの父で有力議員ロアークにより刑務所に入れられる。8年後、ナンシーからの手紙がばったりと途絶える。出所したハーディガンは大人になったナンシーするが、「イエロー・バスタード」に改造されたジュニアはハーディガンの跡をつけついにナンシーの居場所を突き止める。ナンシーはイエロー・バスタードに捕まり、農場へ連れ去られる・・・。

雑感

劇場用アニメにした方が良かったと思う。白黒映像の実写にすればお洒落だと思っているのかも知れないが、かつてのフィルム・ノワールと比べて、ケバケバしさが目に付く。それだけ安っぽく感じる。
メキシコ人監督ロバート・ロドリゲスの良かったのは、「フロム・ダスク・ティル・ドーン 」(1996)の頃まででそれ以降は、アメリカの商業監督に染まってしまった。
ミッキー・ロークはメイクで北斗の拳のラオウの様になっていたが、よく似合っていた。
EP2でドワイトが運転して、助手席にいるベニチオ・デル・トロが話し掛けるシーンが、クエンティン・タランティーノの演出部分である。

スタッフ

監督、製作、脚本、撮影、音楽、編集  ロバート・ロドリゲス
監督、製作、脚本、原作  フランク・ミラー
製作  エリザベス・アベラン
製作総指揮  ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽  ジョン・デブニー、グレーム・レヴェール
特別監督  クエンティン・タランティーノ

 

キャスト

ハーティガン刑事  ブルース・ウィリス
マーヴ  ミッキー・ローク
ドワイト  クライヴ・オーウェン
ジャッキー・ボーイ  ベニチオ・デル・トロ
ケヴィン  イライジャ・ウッド
ザ・マン  ジョシュ・ハートネット
シェリー  ブリタニー・マーフィ
ミホ  デヴォン青木
ゲイル  ロザリオ・ドーソン
イエロー・バスタード  ニック・スタール
マニュート  マイケル・クラーク・ダンカン
ロアーク枢機卿  ルトガー・ハウアー
ボブ  マイケル・マドセン
ゴールディ/ウェンディ(二役) ジェイミー・キング
ベッキー  アレクシス・ブレーデル
ルシール  カーラ・グギーノ
ナンシー  ジェシカ・アルバ

 

***

EP1の続き

枢機卿は殺人犯ケビンを寵愛していて、二人の関係を知ったゴールディをケビンに殺させた。マーヴはケビンを捕えて首を切り落とし、ロアーク枢軸卿も殺害する。しかし、マーヴは警察に逮捕され処刑される。

EP2の続き

これには参ったドワイトは首を渡す。しかし、爆弾が仕掛けられており、マヌートらが一瞬怯んだすきに機銃掃射で一味を皆殺しにする。

EP3の続き

ハーディガンは死闘の末にイエロー・バスタードを殺害する。しかし、ロアーク議員は復讐をすると確信したハーディガンは、自分さえ消えればいいと思った。そこでナンシーを逃がし、銃で頭を撃って自殺した。

エピローグ

EP2の直後、爆風で骨折したベッキーは病院で治療を受けた。彼女の不安を察したイケメン医師が声をかけ、彼女と一緒にエレベーターに乗り込む。医師は、殺し屋「ザ・マン」だった。

シン・シティ Sin City (2005.4) 米トラブルメイカー製作 ミラマックス配給

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