(◎)エドナ・ファーバーの原作小説をもとにフローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアがプロデュースしたミュージカル舞台の2度目の映画化で、ミュージカル映画(最初の映画化はストレート・プレイだった)。
同舞台のオスカー・ハマースタイン2世が脚色・作詞し、ジェローム・カーンが作曲している。
白黒映画で、ジョン・J・メスコールが撮影している、

実年齢37歳の主演アイリーン・ダンが若き娘役から中年の母役まで演じ分けている。
共演はミュージカル・スターのアラン・ジョーンズ、舞台初演以来のチャールズ・ウインジャーヘレン・モーガンポール・ロブソンサミー・ホワイト

雑感

「ショウボート」3度目の映画化(1951年、キャサリン・グレイスン主演)を先に見ているから、この二度目の映画化作品は、やや落ちるように感じる。
もとが舞台だから、場面の切り替えで時間は経過している。1936年版は主人公の10代後半から30代後半の20年間をまで描いている。ところが、場面の切れ目でどれぐらいの時間が経過したのか、分かりにくい。
その点1951年版は、キムと別れて5年後にゲイロードは戻ってくるから、違和感が少ない。

とは言え、アイリーン・ダンの演技は素晴らしく文句の付けようもない。アメリカでは1936年版の方が高く評価されている。
歌唱に関しては、1951年版の主役キャサリン・グレイスンとジョー役のウィリアム・ウォーフィールド(「オール・マン・リバー」を歌唱)が素晴らしく、1936年版も敵わないと思う。ジョー役のポール・ロブスンの歌唱は、若々しくテンポが速い。 

1936年版では、40歳で亡くなった大女優ヘレン・モーガンの演技が見られる。1951年版では、エヴァ・ガードナーがこの役を演じた。

キャスト

アイリーン・ダン  マグノリア/成人のキム
アラン・ジョーンズ  夫ゲイロード
チャールズ・ウィニンジャー ホークス船長
ポール・ロブスン  黒人ジョー
ヘレン・モーガン  歌手ジュリー
ヘレン・ウェストリー  パーシー
クイーニー・スミス  エリー
サミー・ホワイト  フランク
ドナルド・クック   スティーブ
ハティー・マクダニエル  クィーニー
フランシス・X・マホーニー  ラバーフェイス

 

スタッフ

監督  ジェームズ・ホエール
製作  カール・ラーミル
原作 エドナ・ファーバー
脚色  オスカー・ハマースタイン2世
音楽  ジェローム・カーン、ビクター・バラバール
撮影  ジョン・J・メスコール、ジョン・P・フルトン、リロイ・プリンツ

 

ストーリー

ミシシッピ川沿岸の町に、住民にお芝居や舞台を見せるショウ・ボートが現れた。
俳優たちが陸で宣伝に回っているとき、船員ピートはジュリーに振られた腹いせに、ジュリィの母が黒人でと保安官に告発する。おかげでジュリィは去って行った。州法によって黒人は舞台に立てないのだ。
船長は、娘のマグノリアを舞台のヒロインに据え、彼女の相手役として素人のゲイロード・ラヴェナルを起用する。彼は、風来坊の賭博師だった。ゲイロードと初なマグノリアは、恋に落ちて結婚した。
舞台から離れて陸に上がったラヴェナルは、やがてシカゴで家を借りてマグノリアと暮らし、女の子キムをもうける・・・。

4年の月日が流れた。ラナベルは経済的に苦しくなってマグノリアとキムを残して姿を消す。
マグノリアは、子どもをかかえて歌手の仕事を探す。あるカフェのオーディションで彼女は、ショウボート時代の先輩歌手ジュリーとばったり出会う。ともにその仕事を求めて来たのだ。実績のあるジュリーは、しかしアル中だった。ジュリーは、自分に懐いてくれたマグノリアに仕事を譲った。シカゴでのマグノリアの初舞台は、父の指揮もあり大成功を収める。

その後は、人気者の名ってニューヨークの舞台にも立った。娘キムも同じく歌手として舞台に立つようになる。マグノリアは引退し、キムの舞台を見守る毎日を送っていた。マグノリアは、キムの出演する劇場に入る時、ラヴェナルの姿を見付けた。彼は楽屋番にまで落ちぶれてはいたが、自分の娘の側にいたかったのだ。久々に再会した二人は、並んで娘の舞台を見守った。

 

ショウボート Show Boat 1936 ユニバーサル製作・配給 – 二度目の映画化

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