謎のインフルエンザ・ウィルスが中国で発生し、一人の女性に感染して猛烈な勢いでヒトヒト感染を始める。そして数ヶ月で世界中に感染者と犠牲者が広がる。ワクチンもない絶望的な状況で、果たして人類はこの危機を打破できるのか。
監督はスティーブン・ソダーバーグ。群像劇で主演はマット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロー。
あらすじ
香港を訪れていたベス・エンホフの感染後2日目から映画は始まる。ベスは先にアメリカへ帰国し、シカゴで浮気相手と寝た後、ミネアポリスの自宅に戻り、幼い息子クラークを抱きしめる。
その頃、早くも香港で正体不明の病気で倒れ込む人々が現れ始める。ロンドンと東京でも一名ずつ倒れる。
3日目にはベスの体調は悪化し、クラークにも咳き込む症状が現れます。
4日目にはベスの夫ミッチの目前で突然ベスは床に倒れる。ベスを病院へ搬送するが、死亡が判明する。
帰宅したミッチは息子クラークがベッドで息絶えているのを発見。
5日目にはジュネーブの世界保健機構本部(WHO)でレオノーラ・オランテスは北京から香港で勃発した感染症を封じ込めたと報告を受ける。しかしSARSの経験を持つオランテスは香港は人口密度が高く港湾都市だから感染は世界に拡大すると考えた。
6日目には、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)の調査官エリン・ミアーズは飛沫感染によるパンデミックが発生していると考え、ベスの暮らしていたミネアポリスへ急ぐ。
ベスの血液検査を見たイアン・サッスマン博士に新型ウィルスだと話す。それを耳に入れたブロガーのアランがネタ探しに近くを彷徨きだす。
7日目にはCDCの疫学部門チーフのチーヴァーの前に米軍の幹部が現れ、生物兵器の可能性はあるかと聞くが、チーヴァーは家畜や野生動物が感染源になっていると述べる。ミネアポリスでは小学校が閉鎖され始める。
ミアーズはベスの会社を訪問し事情聴取を行う。するとバーンズがベスを空港へ迎えに行ったと言う。ミアーズはすぐさまバーンズへ連絡。バスに乗っていたバーンズは体調が悪いものの職場へ向かう途中だと言いながら咳き込みま彼自身はバスに乗っており、気分が悪いと言う。彼は途中で降りるが停留所で倒れてしまう。その後ミアーズは隔離されているミッチに会いに病院へ行き、ベスの行動調査をする。
ヘクストールは病原菌のウィルスが豚とコウモリ・インフルエンザの合成体であることを発見する。それを聞いたチーヴァーは、新型ウイルスの致死率は20%台で治療法もワクチンも現在存在しないと結論付ける。
8日目にテレビ番組に出演したチーヴァーは、米国内の感染地域がミネアポリスからさらに拡大するだろうと語る。
WHOから香港へ派遣されたオランテス博士は香港政府のファンと追跡調査を開始する。
大学で研究を続けたサッスマンがウィルスの培養に成功する。その結果を受けて、チーヴァーは新型ウイルスに800万人が感染すると予想する。
新型ウイルスが製薬会社の陰謀だと主張するアランは多くの信奉者を得る。アランにヘッジファンドが近づき、アランは金目当てで植物のレンギョウに薬効があると答える。
オランテスは、ベスが行ったマカオのカジノの監視カメラ映像を見て、接触者の確認作業を開始した。ベスと日本人は接触しており香港が発生地かもしれないと言うが、ファンはその情報を出してもらっては困ると答える。
14日目にはチーヴァーにミアーズが感染したと報告する。ミネアポリスの講堂に作られた即席病棟にミアーズは入院させられる。
オランテスは、ベスが最初の患者であり、感染発生地はマカオのカジノであるとファンに告げます。帰途に着こうとするオランテスにファンは、ウイルスに感染した自分の母親はレンギョウを試したが死亡したと告白する。故郷の村へオランテスを連れて行ったファンは村民達のため、アメリカに対してオランテスを人質に取ると宣言する。
チーヴァーは愛人にシカゴから直ぐ脱出する準備を始めて、決して誰にも口外するなと言う。しかし掃除夫ロジャーが立ち聞きし、チーヴァーを非難。そして愛人もママ友に話して噂は広まっていく。
18日目、レンギョウの効能を主張するアランは、CDCを非難するビラを撒き政府批判に専念していた。レンギョウを販売する店に殺到した客達はパニックを起こし、街中で略奪を始める。
ミアーズは即席病棟で亡くなり集団埋葬される。
21日目、CDCのヘクストール博士は、ウイルスが変異してR0は2ではなくなったとチーヴァーに報告する。
チーヴァーはR0は4以上に増加したと判断し、ワクチンが無いままでは10%のアメリカ人が感染すると報告する。国内の死者は250万人に達し、各地で暴動が発生する。
ヘクストールは抗体を持つサルに出会い、自分の体にワクチンを射って有効性を立証する。
やがてパンデミックを止めるMEV-1ワクチンは欧米で製造開始された。最初の投与は90日以内で、全員に行き渡るのはさらに1年かかる。
133日目、ワクチン接種を受ける順番を決める抽選が行われる。
やがて市民は次々にワクチンを接種し始めた。隔離生活を続けていた娘も久々にBFとデートをしている。一方でミッチは、亡くなった妻のデジカメに収められた画像の一枚を見つめる。
1日目、森林開発によりコウモリは一斉に飛び立ち、養豚施設の窓に入る。そして糞をするが、貪欲な豚はそれを食べてしまう。
その豚は出荷され、レストランに売られる。豚を捌いたシェフは客のベスに握手して一緒に写真に映ったのだ。
雑感
元々はオールスター映画なのに評価が低かったが、コロナ騒ぎの中で俄然映画の1シーンのような様子がニュースでリアルに映し出されることが多くなった。
しかしこんなに早いペースで物事が解決するわけはない。1年か2年が必要だろう。
さらに本当に怖いのはコロナ後の政治経済なのだ。
その割に映画は楽天的過ぎる。
スタッフ
監督・撮影 スティーヴン・ソダーバーグ
脚本 スコット・Z・バーンズ
音楽 クリフ・マルティネス
製作 マイケル・シャンバーグ 、 ステイシー・シェール 、 グレゴリー・ジェイコブス
製作総指揮 ジェフリー・スコール 、 マイケル・ポレイル 、 ジョナサン・キング 、 リッキー・ストラウス
キャスト
ミッチ・エンホフ : マット・デイモン
エリン・ミアーズ医師 : ケイト・ウィンスレット
エリス・チーヴァー医師 : ローレンス・フィッシュバーン
アラン・クラムウィード : ジュード・ロウ
ミッチの妻ベス・エンホフ : グウィネス・パルトロウ
レオノーラ・オランテス医師 : マリオン・コティヤール
ライル・ハガティ少将 : ブライアン・クランストン
アリー・ヘックストール医師 : ジェニファー・イーリー
掃除夫ロジャー : ジョン・ホークス
イアン・サッスマン医師 : エリオット・グールド
チーヴァー医師の恋人オーブリー : サナ・レイサン