サスペンス映画。大富豪が退屈しのぎに参加したゲームによって生命の危機を味わう。
脚本はジョン・D・ブランケットとマイケル・フェリスが書いて、デイヴィッド・フィンチャーが監督した。撮影はハリス・サヴィデス。
主演はマイケル・ダグラス。共演はショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガー、ジェームズ・レブホーン。
国内配給はギャガ・コミュニケーションズとヒューマックス・ピクチャーズで、1998年2月公開。
雑感
スポイラーになるので、結末について述べられない。
つまらないと言う人と、ラストが良かったという人と二つのタイプに分かれている。
IMDBでは7.7点と評価されているので、容認派の方が多いようだ。
デビッド・フィンチャー監督にとっては、「セブン」と「ファイト・クラブ」の間に撮った作品である。初めは「セブン」より企画が先んじていたが、「セブン」の方が先に公開されて、「ゲーム」の予算が増額された。そこで脚本家を追加したのだ。そのときにダークファンタジー風味が上乗せされたものらしい。見ていて長いと感じたら、そのせいだ。
アメリカで1997年の「クリスマス映画」であり、基にある精神はチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」だろう。つまり、英米で精神矯正される側は、恐ろしい目に遭っても文句を言えないのである。イヤミな金持ちとして痛い目に遭うマイケル・ダグラスを主演にキャスティングしたのは、大正解だった。
ショーン・ペンは、「デッドマン・ウォーキング」の後作品だったから新鮮な役柄に思えた。
キャロル・ベイカーが、家政婦役で出てきたのは驚いた。かつてのセックスシンボルだが、現役女優だったとは知らなかったから。
キャスト
マイケル・ダグラス 富豪ニコラス・ヴァン・オートン
ショーン・ペン 弟コンラッド
デボラ=カーラ・アンガー ウェイトレスのクリスティーヌ
ジェームズ・レブホーン CRS社ジム・ファインゴールド
ピーター・ドーナット 弁護士サミュエル・サザーランド
キャロル・ベイカー 家政婦イルザ
アンナ・カテリナ 別れた妻エリザベス
アーミン・ミューラー=スタール 子会社社長アーソン・ベアー
エリザベス・デニィ 秘書マリア
スタッフ
監督 デヴィッド・フィンチャー
製作総指揮 ジョナサン・モストウ
製作 スティーヴ・ゴリン、シーアン・チャフィン
脚本 ジョン・ディー・ブランケット、マイケル・フェリス
撮影 ハリス・サヴィテス
ストーリー
サンフランシスコ。
ニコラスは、父の資産を引き継ぎ、投資家として成功した。三年前に妻と離婚して、屋敷にひとりで暮らしている。幼いときに父が飛び降り自殺したことがニコラスにとって大きなトラウマになっている。
ニコラスは、父親が自殺したときと同じ48歳の誕生日を迎えるが、誰も祝ってくれない。そんな中で、薬物施設に入っていた弟コンラッドと久しぶりにレストランで再会した。ニコラスは凄い体験ができると言うサービス「CRS」の紹介状をプレゼントされる。CRSのオフィスに行くと担当者ファインゴールドは、これこそお客様に満足を与えるゲームだと言う。彼は、よく分からなかったが、入会する。
ニコラスは、帰宅すると自殺した父親の姿をした死体を発見するが、よく見るとピエロの人形だった。ニュース番組を見ているとキャスターがテレビ越しにニコラスに話しかける。ピエロに隠しカメラが仕込まれていたのだ・・・。
レストランにコンラッドを呼び出すが彼は来ず、ウェイトレスのクリスティーンに服の上からワインをこぼされる。謎のウェイターが彼に「彼女を逃すな」という書き置きを渡したため、ニコラスは彼女を追いかけると、彼女は謎の人物から200ドルでワインをこぼすように買収されたと告白する。
翌日、コンラッドが自宅に現れCRSにすべてを奪われたと怯えている。しかしニコラスの車からCRSのマークが多数発見されコンラッドは、ニコラスもCRSの仲間だと言って逃げ出してしまう。その上、ニコラスが乗ったタクシーから運転手は飛び降りて、車は海に沈んでしまう。ニコラスが気付くと、打ち上げられていた。
クリスティーンを再び糾弾すると、CRSのエージェントたちが銃撃してくる。その上、彼の預金口座残高は0になっており、ニコラスはクリスティーンに睡眠薬を盛られる。
ニコラスは気付いたら、メキシコの墓地の中に埋められていた。サンフランシスコに帰ると、家は競売にかけられていた。ふと、ニコラスはファインゴールドが俳優だと知り、彼を捕まえてCRS本社に向かう。そこには彼がゲームを始めてから会った人たち全員がいた。CRSの警備員が銃撃してきた。堪忍袋の緒が切れたニコラスは、持ってきた拳銃で飛び出してきたコンラッドを射殺する。クリスティーンは、これは全てゲームだったのにと泣き叫んだ。
ニコラスは、あまりのショックでビルから飛び降りる。しかし、彼は巨大な救命マットの上に着地する。気が付くと、知り合いやCRSの俳優たちが彼の誕生日を祝っていた。血糊をつけたコンラッドも笑いながら「誕生日おめでとう」と手を取った。