P.T.バーナムが創立したリングリング・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスが2017年5月に最終公演を終えて、長い歴史に幕を閉じた。
その年末、P.T.バーナムの半生を描いたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」が大成功を収め、今度はブロードウェイ・ミュージカルになると言う。
主演は売れっ子のヒュー・ジャックマン。ディーバである髭女の役はキアラ・セトルが演じ自ら歌う。
あらすじ
バーナムは妻子のため、ショービジネスの興行主になる。フリークス(畸形)を集めて、見世物小屋をしたのだが、上流階級からは蔑みの目で見られる。
そこで劇作家のカーライルと契約して、きちんとしたショーとしてのサーカス興行を行うようになる。英国のヴィクトリア女王に拝謁した時に、バーナムはオペラ歌手ジェニー・リンドと出会う。
そしてジェニーのアメリカ興行を成功させる。しかしジェニーとの仲が不和になり、マスコミはスキャンダルとして取り上げる。
さらに悪いことに、バーナムのサーカス小屋が全焼し、妻子はバーナムを置いて、実家に帰ってしまう。
バーナムは打ちひしがれるが、サーカスの仲間達は温かく迎えてくれる。
そしてバーナムとカーライルは固定された劇場でなく、移動するテント小屋でのサーカス興行を思いつき、再び大成功する。
最後は妻子を迎えに行って目出度し目出度し。
雑感
のっぺりした平板な映画だった。
キアラ・セトルの歌唱は良いのだが、本場のクラシック歌手であるジェニー・リンド役(レベッカ・ファーガソン)がクラシック歌曲ではなくミュージカル・ナンバーとして歌うのは残念。吹替なのだから、クラシックで良かったのではないか。
また上映時間が短すぎるのか、演技も歌唱も全体に急ぎすぎている。
ミュージカル・ナンバーがテンポの速い曲や過剰な感動を与える曲ばかりで、飽きるんだ。
なお、障がい者のブラック企業だという批判はナンセンス。当時、障がい者に雇用機会を与えた意味で凄いことだった。もちろん、映画は主人公を美化しているが、そうだとしても何もしなかった人間に言われたくないだろう。
リングリング・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスと言えば、チャールトン・ヘストン主役の「地上最大のショウ」が有名だが、実はP.T.バーナムの伝記も戦前に「The Mighty Barnum」として映画化されている。
スタッフ・キャスト
監督 マイケル・グレイシー
脚本 ジェニー・ビックス、ビル・コンドン
原案 ジェニー・ビックス
製作 ローレンス・マーク、ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング
製作総指揮 ジェームズ・マンゴールド、ドナルド・J・リー・Jr、トーニャ・デイヴィス
音楽 ジョン・デブニー、ジョセフ・トラパニーズ、ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール
主題歌 『ディス・イズ・ミー』 (キアラ・セトル)
撮影 シェイマス・マクガーヴェイ
キャスト
P・T・バーナム – ヒュー・ジャックマン
フィリップ・カーライル – ザック・エフロン
チャリティ・バーナム – ミシェル・ウィリアムズ
ジェニー・リンド – レベッカ・ファーガソン、ローレン・アレッド(歌の吹替)
アン・ウィーラー – ゼンデイヤ
レティ・ルッツ – キアラ・セトル
親指トム将軍- サム・ハンフリー、ジェイムズ・バブソン(歌の吹替)