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謎に包まれた1926年の11日間「アガサ・クリスティ失踪事件」（史実）。
実は、その最中にアガサは実際に起きた殺人事件を解決していた！という空想を元にして、
アガサ・クリスティを探偵役に仕立てた歴史改変ミステリ映画。
トム・ダルトンの脚本をテリー・ローンが監督した。
主演はルース・ブラッドリー、共演はピッパ・ヘイウッド、ラルフ・イヌソン、ティム・マキナニー、ブレーク・ハリソン、サマンサ・スパイロ。
雑感
ベストセラー作家だったアガサ・クリスティが生前に読者へのプレゼントとして毎年クリスマスに新刊を発刊していた。そこで、英国第五のテレビ放送局「チャンネル5」で2018年暮れにプレミア放送された映画である。以後、シリーズ化されている。
その後、米国Netflixを皮切りに各国の配信メディアに配給されている。
あちこちにアガサ・クリスティの列車ミステリ（プリマス発急行列車、パディングトン発4時50分など）や古い館ミステリほねオマージュを散りばめており、アガサ・クリスティ・ファンにはたまらない。
単なるコージーミステリーではなく、アガサ・クリスティが抱えていた離婚問題と絡めて事件は進んでいく。アガサは、離婚を忘れるために事件の推理にどっぷり浸かっていく。
第一次世界大戦の従軍看護婦だったナイチンゲール・ショアの列車内殺人事件は史実であり、未だに解決されていないそうだ。
「ナイルに死す」が実際に出版されたのは1933年である。
キャスト
ルース・ブラッドリー アガサ・クリスティ
ピッパ・ヘイウッド メイベル・ロジャース
ラルフ・イヌソン ディックス警部
スタッチャ・ヒックス 被害者フローレンス・ナイチンゲール・ショア
ティム・マキナニー フローレンスの従兄弟ランドルフ
ブレーク・ハリソン トラヴィス・ピックフォード（元ボクサー）
サマンサ・スパイロ パメラ・ローズ
ジョシュア・シルバー フランクリン・ローズ
ベイブ・ケイブ ダフネ・ミラー
ディーン・アンドリュース ウェイド・ミラー
ルーク・ピエール ザキ
スタッフ
監督 テリー・ローン
脚本 トム・ダルトン
撮影 ダミアン・エリオット
製作 ブレット・ウィルソン
製作総指揮 エミリー・ダルトン、トム・ダルトン、シャムーン・イッサ
ストーリー
夫からの離婚請求に悩むアガサのもとに、メイベルという中年女性が未解決殺人事件を持ち込む。
被害者は、第一次世界大戦の元従軍看護婦でフローレンス・ナイチンゲール・ショアという中年女性で六年前に列車内で誰にも見られず撲殺されたが迷宮入りしてしまった。
アガサは、メイベルから事件の詳細を聞いて関係者を「偽の遺産分割」で古びた邸に一堂に集めることにする。集まった容疑者は後輩看護婦でフローレンスに看護ミスを知られたダフネ、フローレンスの従兄ランドルフ、彼女の生前に訪れたアルジェリア兵ザキ、フローレンス事件の重要参考人だったトラヴィス、フローレンスが訪れるはずだったパメラ・ローズ夫人とその息子フランクリン。アガサは、別の筆名メアリー・ウェストマコットを使って弁護士の助手として扮装した。
ところが、英国中ではアガサが失踪したと思われ、大捜索隊が組まれていた。メイベルは、ダフネの付き添いの父ウェイドのバッグに拳銃らしいものが隠されていることを知る。アガサは、ダフネとウェイドが怪しいと推理する・・・。
ところが、突然ウェイドが殺されてしまう。ディックス警部が現れ、アガサがいるとも知らずアガサの捜索に人手が大勢取られて困るとぼやく。
メイベルが消えるが、ウェイドの銃を持って隠れているところを見つかる。そして、メアリの正体がアガサだと言うことも警部に暴露されてしまう。警部は、ダフネが家庭内暴力により父ウェイドを撃ったと推理する。ダフネに贈られた脅迫状も出てきた。
メイベルが持っていたフローレンスの日記を読んだアガサは、ディックス警部にフローレンス殺害の犯人逮捕の協力を求める。
犯人は、ローズ夫人とフランクリンだった。彼らは、ウェイドを殺しダフネに罪を着せて遺産を相続しようとしたのだ。アガサは、ディックスが隣の部屋で聞いていることを確かめて、彼らから自白を引きだしアガサ自身を襲わせた。しかし、トラヴィスのパンチがフランクリンをKOした。
フローレンスを殺したのも二人の共犯である。二人だけが彼女が乗る列車をしていた。
ディックス警部は、犯人逮捕のお礼にアガサの失踪事件を記憶喪失のせいにすることを教える。
アガサは、書きかけの作品をディックスのヒントに基づいて完成させ、「殺人の真相」と言う仮題を「ナイルに死す」と改める。