19世紀末にスウェーデンで実際に起きた貴族と女芸人の心中事件を描いた作品。耽美的な映像から、逃避行の厳しい現実がうかがい知れる。主演のピア・デゲルマルクカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した。

 

 

あらすじ

 

シクステン伯が軍紀違反の犯してまで、美人綱渡り芸人エルヴィラと駆け落ちするところから始まる。初めは金銭的余裕があり、二人は幸せだった。しかし友人クリストファーに見つかり、シクステンの妻子の現在を聞かされる。シクステン達は宿を変えるが、蓄えも底を尽き、口論が絶えなくなる。木の実を食べる毎日に、ついにエルヴィラは心中を提案する。シクステンは最初は反対していたが、抗しきれず、同意する。そして二人は最後の食事を持って森の奥へと進む。シクステンは、エルヴィラをなかなか撃てなかったが、エルヴィラが蝶を追い出す。(そこで画面はストップする)シクステンは覚悟を決めて、彼女を射殺して、すぐに自分も撃って後を追う。

 

雑感

 

日本人は心中というと、浄瑠璃や歌舞伎から、美しく死ぬことと勘違いしているが、実際はそう簡単に死ぬ決心が出来るわけではない。
最後まで生きることを考えているのが人間だ。
そういう意味で、映像美の中でエルヴィラが食べ物を探して地面を這いつくばる姿は、印象的だった。

 

スタッフ・キャスト

監督・脚本・編集 ボー・ヴィデルベルイ
撮影 ヨルゲン・ペルソン
演奏 ゲザ・アンダ (モーツァルト・ピアノ協奏曲21番)、カラヤン(ヴィヴァルディ「四季」夏)

配役
エルヴィラ  ピア・デゲルマルク (カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞)
シクステン  トミー・ベルグレン
クリストファー  レンハルト・マルメール

みじかくも美しく燃え Elvira Madigan 1967 スウェーデン製作 東和配給

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