(☆)升田商二鈴木英夫が共同脚本を書き、鈴木英夫が監督した、当時異色のキャリアウーマン映画
撮影は逢沢譲で、パースペクタ立体音響を採用している。カラー映画である。
主演は司葉子で恋人役は宝田明。司の同僚OL役に原知佐子大塚道子水野久美

 

雑感

オリジナル脚本で、当時としては思い切って広告代理店で男勝りに働く営業女性を描いた佳作。
営業部では司葉子、原知佐子、大塚道子、水野久美それぞれが、女性としての悩みを抱えてながら働いている。

宝田明は、電通を模した大手広告代理店のやり手営業マンで、司葉子を利用して司の同僚プロデューサーに賄賂を渡して広告コンペの情報を得ている。
ラストシーン、過去を吹っ切ったような司葉子の表情が良い。

 

キャスト

司葉子  矢田律子
大塚道子  田島祐子
水野久美  吉村ミツ子
北あけみ  須川有子
原知佐子  藤井久江
柳川慶子  大竹和子
清水えみ  モデル
森光子  律子の姉佐川実代
宝田明  ライバル広告会社のエリート社員・坂井浩介
山崎努  広告デザイナー・倉井達也
児玉清  姉の夫・佐川道男
浜村純  広告プロデューサー・坪内
西村晃  営業部長・水沢
織田政雄  営業課長・乾
伊藤久哉  営業係長・塚本稲葉義男
稲葉義男    坂井の上司保田
松本染升  製薬会社宣伝部長
石田茂樹  製薬会社宣伝課長
丘寵児   製薬会社宣伝部長

 

スタッフ

製作 金子正且
脚本 升田商二
監督、脚本: 鈴木英夫
音楽 池野成
撮影 逢沢譲

 

 

あらすじ

矢田律子は、銀座にある西銀広告の営業部社員である。同僚には男勝りのタイピスト祐子、営業のミツ子、久江、広告部員の有子がいる。
難波製薬が発売する、40代向け強壮剤の広告費予算をめぐって広告会社のコンペが行われることになった。律子に部長からその広告予算を探って来るように指令が下る。難波製薬で大通広告の強敵坂井と出会う。坂井も律子もお互いに意識してしまう。律子には、金を無心する姉実代がいた。姉は、もらった金を働きもしない夫に貢いだ・・・。

律子は、難波製薬の部長から見合いの話をもらっていた。そのコネで彼女は新薬広告の予算を教えてもらう。
他に大型案件をいくつも抱えていて、流石の大通も難波製薬に割く要因はいない。そこで大通は、外部のCM制作者を探していた。そのとき律子の会社専属の広告プロデューサー坪内が腐っているという噂を聞きつけ、坂井が彼のアイデアを買いたいと申し出た。

彼女は同僚のデザイナー倉井は、律子にコピーを考えてもらう。倉井は、スカルノ目薬の広告でグランプリ日新賞を狙っていると言う。
律子は接待麻雀の帰り、坂井と飲みに行き、ホテルで彼に抱かれる。
しかし、大通の広告を見て坪内が裏切ったことを知る。辞表を出すという坪内に、律子は次の仕事まで預かっておく、と言った。

後輩のミツ子が自殺した。ミツ子は貢いでいた男に捨てられたのだ。律子は大層悲しむ。一方、倉井はグランプリ日新賞をとった。
やはり西銀広告は最終コンペで大通に敗れた。彼女は社内では責任を追及されるが、西銀に残って強く生きていくことを誓う。
そこへ坂井から、会いたいと電話がかかってきた。律子は、さりげなく断った。律子の心は次の宣伝広告に移っていた。

 

 

その場所に女ありて 1962 東宝東京製作 東宝配給 司葉子主演のキャリア・ウーマン映画

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