1961年に存在した東京ー大阪間を六時間半で結んだ「超特急こだま号」を舞台に、そこで働く三人の若い男女の恋の迷いを描いた獅子文六原作小説を、映画化したもの。
当時は、特急こだま号が日本最速であったが、東海道線の在来線特急列車であった。
笠原良三が脚本を描き川島雄三が監督した鉄道喜劇映画である。
フィルムは残念ながら白黒である。上映時間は85分で、DVDには出演女優のインタビュー特典付きのものもある。

キャスト

フランキー堺  日本食堂のコック助手 矢板喜一
団令子  ウェイトレス藤倉サヨ子
白川由美   新幹線の花形スチュワーデス・今出川有女子
小沢栄太郎  有女子に言い寄る、風船ガムのメーカー社長 岸和田太市
中島そのみ  岸和田社長に近付くチャイナドレスの女 伊藤ヤエ子
沢村貞子  サヨ子に縁談を持ってきた甲賀げん
滝田裕介  縁談相手甲賀恭雄
太刀川寛  有女子の許婚で住職佐川英二
森川信   矢板の恋を温かく見守るコック長 渡瀬政吉
丘寵児   食堂長森山
堺左千夫  公安官青木
大塚国夫  営業所の男
谷村昌彦  謎の男上野
平凡太郎  謎の男下谷
佐羽由子  ウェイトレス・ヒロ子
紅美恵子  同・セツ子
中真千子  同・ヨシ子
柳川慶子   同・ケイ子
芝木優子  同・キミ子
横山道代  スチュワーデス・望月みち子
小西ルミ  同・井上さかえ
佐多契子  同・向井たか子
田武謙三  謎の酔いどれ老人
石田茂樹   気の良い専務車掌 影山
塩沢とき  見送りに来たお料亭の女将

スタッフ

製作  藤本真澄
製作  菅英久
原作  獅子文六
脚色  笠原良三
監督  川島雄三
撮影  遠藤精一
音楽  真鍋理一郎

雑感

コック助手の矢板喜一(フランキー堺)、ウェイトレスのサヨ子(団令子)、スチュワーデスの有女子(白川由美)。この三人のある日の勤務開始から終了までを描いている、
スピーディー感のあるコメディ。
川島雄三監督だけに多少ほろ苦い部分もある。
アクションシーンにサイレント場面を挟み込み、白黒画像と相まってクラシックな雰囲気を醸し出している。
併映は司葉子と新東宝から移籍した高島忠夫が主演して堀川弘通がメガホンを取った、戦争絡みのメロドラマ「別れて生きるときも」。

 

あらすじ

料理店の娘サヨ子は、父のやっていたアイノコ弁当屋を継ぐため喜一に逆プロポーズして、いよいよ今日の午後6時までに返事をもらうつもりだ。ところが勤務早々に美人で有名な元華族の有女子から赤坂に店を開く予定なのでコック長をやってくれないかと言う申出があった。二人の間で喜一は料理屋の親父を取るか一流シェフを取るかで迷ってしまう・・・。

 

そうこうしているうちに12時半になり、新幹線こだま号は東京駅を出発する。サヨ子は、有女子が喜一にささやきかけるのが気になる。そこへ乗り込んだのが、げんと息子の恭雄である。げんはサヨ子が気に入り恭雄の嫁に欲しいと言っていたのだ。
有女子は、大阪のチューインガム会社社長岸和田がレストランを出資してくれるというのでその気になっていた。しかし岸和田の隣りに、チャイナドレスの女伊藤ヤエ子が陣取り岸和田に甘えている・・・。
食堂車では、老人が酔っ払って「殺し屋が時限爆弾を仕掛けた」と大声で叫ぶが気に掛けるものはなかった。
名古屋でこの老人は降りた。その後、車内に時限爆弾の噂が流れる。有女子のレストランも、立ち消えになってしまう。鉄道公安官に追われてギャング姿の下谷と上野が食堂車に逃げ込んだ。喜一とサヨ子の協力があって二人は捕らえられた。大阪を前にヤエ子が捕えられた。実は下谷と上野のスリの親分だったのだ。「こだま」は大阪駅へ到着する頃、喜一はサヨ子と弁当屋を嗣ぐ決意を固めていた。有女子も幼馴染みの住職佐川の気持ちにほだされるのだった。

 

 

特急にっぽん 1961 東宝東京製作 東宝配給 フランキー堺主演・川島雄三監督作品

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