歴史上から忘れ去られた、あるカーレーサーの活躍に光を当てたカーレース映画である。
監督はジェームズ・マンゴールド
主演はクリスチャン・ペール、マット・デイモン
共演はジョン・バーンサル、カトリーナ・バルフ

あらすじ

1950年代後半アメリカ人として初のル・マン優勝を果たしたキャロル・シェルビーは、心臓疾患のため引退する。その後カー・デザイナーとして成功を収め、スポーツ・カー企業シェルビー・アメリカンを設立した。
シェルビーのもとにフォード社から下級副社長リー・アイアコッカがやって来る。彼の依頼は、ル・マン24時間耐久レースでフェラーリ社に勝つことだった。
シェルビーは悩んだ末このオファーを受諾する。

シェルビーは敏腕のイギリス人ドライバー、ケン・マイルズを訪ねる。
困窮していたマイルズは、そのオファーを歓迎する。
しかし、マイルズのジョンブルらしい言動は、アイアコッカの上司であるフォード上級副社長レオ・ビーブの反感を買ってしまう。
結局、最初のル・マン挑戦のメンバーからマイルズは外された。その結果レースはフォード三台とも途中棄権に終わった。

続いて翌年もシェルビー・フォードはル・マンに参戦することを決定したが、ビーブが今回もマイルズを除外しようとする。シェルビーは、敢えてビーブを飛ばして会長のフォード2世に直談判した。そしてデイトナ24時間耐久車レースでマイルズが優勝したら、マイルズをル・マンに参戦させる確約を得たのだ・・・。

 

雑感

久しぶりにスカッとするカー・スポーツ映画である。でも最後にやはりほろ苦いエンディングが待っている。マット・デイモンクリスチャン・ペールの組み合わせも良かった。最初の2011年企画ではトム・クルーズとブラッド・ピットが主演するはずだったが、一度企画自体が潰れた。

実話に基づいているが、実話を大幅に翻案している。
まずフォードは1964年、65年と二回ル・マンに参戦して全台棄権している。そして66年にマイルズ組が飛ばして最後は三台並んで結果的にマクラーレン(ニュージーランド)組が優勝した。映画だと2年目で優勝したように描いている。
そもそも65年にアメリカのチーム(エンジン供給はフェラーリ)は優勝していたのだ。また1959年にアストン・マーチン(英)で勝ったシェルビーはアメリカ初ル・マンのチャンピオンではない。1958年にフェラーリが優勝したが、その際アメリカ人フィル・ヒルが搭乗していた。

ビーブとマイルズが犬猿の仲であったことは史実だが、三台並んでのゴールでトロフィーがマイルズからマクラーレンに移るとは考えてなかった。マクラーレン組の方が下位からのスタートだったので、長い距離を走ったということで、優勝できたのだ。
結果的にこれが後にマクラーレン・レーシングがレーシング・スピーツをリードしていく原因の一つに成ったかも知れない。

アイアコッカは、出世してフォード社長まで上り詰めるが、業績が上がれば上がるほど、ヘンリー・フォード2世の嫉妬を買い、イタリア系であることからマフィアとの関係が噂された。そして最高業績を上げた年に会社を追われる。その後、クライスラーに移り、そこでも社長として活躍した。
スポーツ・カーの名車シェルビー・コブラで有名なシェルビー・アメリカンは、フォードからのエンジン供給を受け続けた。しかしフォードを追われたアイアコッカに付いていき、クライスラーのエンジンを搭載してレースに挑戦する。

カトリーナ・バルフはアイルランド出身のモデル兼女優だ。美人だが、彼女も「プラダを着た悪魔」で女優デビューした。その後、「グランド・イリュージョン」にも出演している。

スタッフ

監督 ジェームズ・マンゴールド
脚本 ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース、ジェイソン・ケラー
製作 ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング、ジェームズ・マンゴールド
製作総指揮 ダニ・バーンフェルド、ケヴィン・ハロラン、マイケル・マン
、アダム・ソムナー
音楽 マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース
撮影 フェドン・パパマイケル

キャスト

キャロル・シェルビー(デザイナー) – マット・デイモン
ケン・マイルズ(ドライバー) – クリスチャン・ベール
リー・アイアコッカ下級副社長 – ジョン・バーンサル
モリー・マイルズ(妻) – カトリーナ・バルフ
ヘンリー・フォード2世 – トレイシー・レッツ
レオ・ビーブ(上級副社長) – ジョシュ・ルーカス
ピーター・マイルズ(息子) – ノア・ジュープ
エンツォ・フェラーリ – レモ・ジローネ
フィル・レミントン – レイ・マッキノン
ロイ・ラン – JJ・フィールド
チャーリー・アガピオウ – ジャック・マクマレン

 

ネタばれ

ル・マン当日、マイルズが乗り込んだフォード1号車は、フェラーリとの壮絶なデッドヒートを繰り広げ、ついにフェラーリを途中棄権に追い込んだ。
マイルズはトップを走り、2位3位もフォード社が独占していた。そこへ、ビーブから「ゴールまで減速し、3台同時にゴールせよ」と命令が下る。マイルズは怒りがこみあげたが、シェルビーは「どうするか自分で決めろ」とマイルズに言った。
ゴールが近づいてくると、それまで記録更新を重ねてきたマイルズが、なんと減速を始めた。そして3台揃ってゴールと言う感動的なシーンで幕を閉じる。
ところが、ずっとマイルズより後ろを走っていた「マクラーレン」が、ルールにより表彰台に上る。

その後もマイルズはシェルビーの新車のテストを続ける。しかし2ヶ月後マイルズはテスト中の事故で命を落とす。
それ以来立ち直れなかったシェルビーは、マイルズの妻モリーと息子のピーターに再会することで勇気をもらい、再出発していく。

 

 

 

 

フォードVSフェラーリ Ford v Ferrari 2019 TSG+ターンパイク他製作 20世紀フォックス配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン国内配給

投稿ナビゲーション