市原悦子の朗読だ。
さすが名人芸と言うか、職人芸と言うか、素晴らしいできだ。
事件は、療養所から俳句同人誌に投稿していた女性読者が結婚したことから始まる。
表面的には幸せな結婚だった。しかし余命宣告を受けていた彼女は結婚三ヶ月後亡くなる。
そして葬儀の後、夫は忽然と姿を消した。疑問を感じた俳句同人誌の主宰者と弟子が調査を開始する。
男芝居である。
事件の傍観者である二人の人物、つまり主人公の医者とその俳句の弟子だけで進行する。犯人や被害者のセリフは、一切ない。
しかし日本むかしばなしで知っているように、市原の話芸は男だ女だという域を超越してる。浜村淳さえも凌駕している。
ただし、この事件の最後の解決は強引である。
清張のなかでも、それほど有名ではない作品をなぜ選んだのだろうか?
案外、市原はこういう作品が好きなのかな、いや読みやすかったのだろう。
何百回も聞いたが、最近では良い寝物語になっている。
巻頭句の女 松本清張著 市原悦子朗読 新潮CD
松本清張 作品
巻頭句の女 松本清張 市原悦子朗読 新潮CDただし、安楽椅子探偵物で最後の解決は強引だったため、市原がこれを選んだ理由がわからなかった。 清張のなかでもそれほど有名ではない作品をなぜ選んだのだろうか? 案外、こういう作品が好きなのかな、市原は。 (懐音堂から転…..