ジョン・マデン監督はテレビ出身。この作品は98年作品でアカデミー賞6部門で受賞した傑作だが、賞狙いっぽい所も感じられた。

時は16世紀終わり、エリザベス一世の時代。
演劇を愛する女王のおかげで、ようやく俳優や劇作家が陽の目を見るようになったころ。新進劇作家シェイクスピアはスランプに悩まされ、新作の創作も手に着かない。
そんなとき、役者のオーディションで素晴らしい才能を持った少年と出会う。
その少年は実は良家の子女バイオラ(グウィネス・パルトロウ)の変装だった。
彼女は役者になりたかったが、当時は女性が舞台に立つことを禁じられていた。
やがて彼女の正体を知ったシェークスピアは、身分の違いを越えて彼女と愛し合うようになる。
ところが彼女は貴族との婚約が整い、数週間後にはアメリカ大陸へ旅立つ身の上。
いずれ離ればなれになる二人は、一層深く愛し合う。
愛し合えば愛し合うほどに、言葉と詩が生まれ始める。
シェークスピアは二人の悲しい運命を基にして、一大恋愛悲劇「ロミオとジュリエット」を完成させた。
しかし当局やバイオラの婚約者の妨害に会い、上演するまでに一難去って又一難。
最後はロンドンの演劇人が力を合わせて、上演にこぎ着ける。
ところが今度は、ジュリエット役の少年が突然、声変わりするアクシデント。
舞台はどうなってしまうのか?

「ロミオとジュリエット」創作の裏に、シェークスピアにも同様の恋愛経験があったのではないか?という疑問からこの作品は作られている。
「ロミオとジュリエット」自体は10年に一度ぐらい作られているから陳腐なのだが、その創作裏話となると新鮮みがある。
絢爛豪華な衣装もさることながら、グウィネス・パルトロウの気品の高さとふんだんなラブシーン、劇場同士のいざこざ、アクションシーンなどを織り交ぜ、厚みのあるドラマになっている。

 
ただ、あまりに期待が高すぎると裏切られるかもしれない。
実は最後の場面に不満がある。
最高の盛り上がりは、観客からの拍手喝采シーンなんだから、そこで切って欲しかった。
その後グウィネスが女でありながら、舞台に上がったことを当局に追求される。
彼女は新大陸アメリカで自分らしく生きる女性として頑張るから、シェークスピアも創作を続けて欲しいと訴えて、英国を去る。
このエンディングが蛇足のような気がする。

 
コスチュームドラマであり、画像は華麗だから、DVD視聴が望ましい。
台詞劇だが、リュート音楽などをふんだんにBGMに使っている。
バロック前期のロンドンの、のどかな雰囲気を楽しめる一本。