デビッド・スーシェのポワロ・シリーズでクリスティの長編第三作「ゴルフ場殺人事件」(ポワロの長編としては第二作)を数年ぶりに見返してみた。

フランスが舞台で、南米からフランスにやってきた裕福な紳士の殺害死体がゴルフ場で発見される。紳士の息子は隣人の娘と愛し合っていたが、紳士とは派手な喧嘩をしていた。事件を解決するに当たって、ポワロはフランス警察のジロー警部と髭を掛けて推理合戦を繰り広げる。

前回はごちゃごちゃして、スッキリしない作品という感想を持った。

偶然が重なって謎が深まるタイプのトリックは好きではない。

しかし今回は、すでに一度見ていたので客観的に見られたと思う。

やはり失敗作だが、ヘイスティングスの恋物語という別の見方もできる。

クリスティは女流作家らしく、推理小説に恋愛小説的色彩を持ち込みたかったのではないか?

バランスが悪くトリッキーな面が強調されたため、この傾向はなりを潜めたが、その後メアリ・ウェストマコット名義で恋愛小説を書分けた。

 

 

ゴルフ場殺人事件 iTV 1996

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