グッドバイ　1949　新東宝製作　太宰治の遺作を映画化

監督 ： 島耕二
製作 ： 青柳信雄
原作 ： 太宰治 ○
脚本 ： 小国英雄

配役：
高峰秀子 （永井きぬ子）◎
森雅之 （田島）
三村秀子 （水原ケイ子）
清川玉枝 （山崎夏江）
江川宇禮雄 （関根）
斉藤達雄　（船越）
霧立のぼる （青木蘭子）
藤間紫 （鈴龍）
一の宮あつ子 （内儀）
清川虹子 （北村たま子）
若原雅夫 （多田）

☆

ココで言うグッドバイとは恋人と別れることだ。芸達者ばかり出てきて面白い作品だ。

見知らぬ金持ちの娘から求婚され、遊び人の田島は急遽身辺整理をしなければならなくなった。
出入り業者のきぬ子を妻に化けさせて、恋人の芸者やホステスと会わせ別れ話を切り出すわけだ。
しかし、最後に残ったケイコだけは二人の姿を見ただけで消えてしまう。
田島はいよいよ相手のお嬢さん絹代に引き合わされるが、何故かきぬ子にうり二つ。
田島は猛烈にアタックするが、絹代は何故かつれなくて、結局破談に終わる。
実は絹代はきぬ子と同一人物であり、学校時代の友人ケイ子から田島と別れたいと相談を受けて、一芝居うったのだ。
絹代は久しぶりにケイ子を訪ねると・・・

☆

高峰秀子がしっぺ返ししたつもりが、最後森雅之にうっちゃられるという話だ。
太宰治の原作は未完のまま終わったが、脚本家がこういう明るい結末を付けたので、原作とは大きく離れてしまったかもしれぬが、映画としては成功した。
実はこの作品は、東宝と高峰が太宰の生前に、太宰治に書き下ろしを直接依頼をしていた。
途中で彼が心中したので、脚本家小国英雄が急遽、結末を新たに付加して何とか映画にしたのだ。
しかし高峰秀子の魅力が爆発している映画だから、おすすめである。