8人の女たち(Huit Femmes) フランス 2002
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かつて「名探偵登場」を見たときもも興奮したが、それ以上をはるかに超える感動だ。
豪華絢爛な、ミステリとミュージカルの合体。
フランス映画では珍しい、テクニカラー的フィルムの美しさは、昔のハリウッド映画を思わせる。
男優は一人だけ出演しているが、台詞はない。
僕のためにあるような映画だ。
8人の女優が全員でベルリン映画祭銀熊賞を獲得している。
1950年代のあるクリスマス、雪に閉ざされた屋敷で主人マルセルは殺された。
残されたのは8人の女たち。一体誰が犯人か?
お互いに疑心暗鬼にかられ、彼女らは秘密を暴露していく。
☆
最近のフランス映画がお得意とする「ミュージカル的」映画。
8人の女優がそれぞれ歌のソロを取る。
だいたい、50〜60年代のオールディズだ。
リュディヴィーヌ・サニエ「パパは流行遅れ」
ここにヒントが・・・シーラが歌った63年のヒット曲。
イザベル・ユペール「告白」(フランソワーズ・アルディの名曲)
彼女の歌は初めて聞いた。
演技力は抜群だが、歌はあまり上手ではない。
でもパントマイムで歌を「見せた」のには驚いた。さすがである。
また彼女は変身して出てきた瞬間、キャサリン・ヘップバーンかと思った。
ファニー・アルダン「愛がすべて」(原歌スタイリスティクス)
彼女のことを美人だと思ったことはないが、やはりただ者ではない。
ヴィルジニー・ルドワイヤン 「モナムール・モナミ」
彼女はオードリーと言うより、斉藤とも子に似ているな。
若い女優は二人とも実物の方が美人だ。
(とくに妹役のリュディヴィーヌ・サニエの方が綺麗だった。)
これはマリー・ラフォレの60年代のヒット曲だ。
フィルミーヌ・リシャール 「ひとりぼっち」
ダリダが歌っていた名曲。
エマニュエル・ベアール 「裏か表か」
コリーヌ・シャルビが80年代に歌ったヒット曲。博打打ちに受けそうな歌だ。
カトリーヌ・ドヌーブ 「あなたは決して」
彼女は「シェルブールの雨傘」では歌っていなかった(歌はダニエル・リカーリ)のに、ここではシルビー・バルタンを歌っている。
そして最後に大女優ダニエル・ダリューの「幸せな愛はない」
ジョルジュ・ブラスンのシャンソンを見事に歌い上げてエンディングを迎える。
フランス人は歌への感情の込め方は、天才的だ。
日ごろのおしゃべりが、歌のレッスンになってるとしか思えない。
監督は若手だが、フランスの周防正行並、いやそれ以上の才能である。
出演
マミー(被害者の義母) ダニエル・ダリュー(「赤と黒」)
ギャビー(妻) カトリーヌ・ドヌーブ(「昼顔」)
オーギュスティーヌ(妹) イザベル・ユペール(「パッション」)
ルイーズ(メイド) エマニュエル・ベアール(「美しき諍い女」)
ビエレット(被害者の妹) ファニー・アルダン(「バルザック」「星降る夜のリストランテ」)
シュゾン(被害者の娘、モデルはオードリー・ヘップバーン) ヴィルジニー・ルドワイヤン(「ザ・ビーチ」)
カトリーヌ(シュゾンの妹、モデルはレスリー・キャロン) リュディヴィーヌ・サニエ(「スイミング・プール」)
シャネル(家政婦) フィルミーヌ・リシャール
マルセル(ギャビーの夫、被害者) ドミニク・ラミュール
ルイーズの昔の主人 ロミー・シュナイダー(写真のみ)(「ルードビッヒ」)
監督・脚本 フランソワ・オゾン(「まぼろし」)
共同脚本 マリナ・ドバン
撮影 ジャンヌ・ラポワリー
衣装 パスカリーヌ・シャバンヌ
原作 ロベール・トマ(クリスティ作品の脚本)