【監督】リチャード・クワイン
【出演】キム・ノバク ジャック・レモン フレッド・アステア ライオネル・ジェフリーズ
ロンドンに赴任してきたアメリカ大使館員ビルは、偶然、夫殺しの噂のある美女の家に下宿した。
警察に女主人の挙動を探る仕事を頼まれ調べるうち、疑わしい事実が続出する。
ある日、拳銃の音がして、本当に夫が殺されていた。
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ディレクターズ・カットならぬ、サンテレビ・カットだ。
どうしてここで突然終るのか?というところで「○○の提供でお送りしました。」が、ここの得意技である。
ラストシーンを、しばしばカットしてしまう。
子供の頃からこのアフタヌーンシアターに親しんできたため、ひどいカットにあっても、慣れてしまっている。
この映画もキム・ノバクとフレッド・アステアの対面シーンは完全カットである。
カットされると、見たくなる。
踊ってるかもしれないじゃないか?
原作はマージェリー・シャープ。
脚色はラリイ・ゲルバートとブレイク・エドワーズ(「ティファニーで朝食を」の監督)である。
エステル・ウィンウッドばあさんと家政婦フィリッパ・ベバンスの掛け合いは、たしかに面白かったが、オリジナリティを感じなかった。
もう少しジャック・レモンとフレッド・アステアを生かしてほしかった。
翌年のオードリー・ヘップバーン主演映画「シャレード」をみると、この時代はサスペンスとコメディのバランスが変わってきているのが分かる。
「悪名高き女」はいささかコメディ色を強くしすぎたのが、失敗の原因だ。
キム・ノバクとジャック・レモンの共演というと、コロンビア映画「媚薬」があった。
キム・ノバクのコロンビア全盛時代は「悪名高き女」で終わった。
のちにMGM映画「人間の絆」(サマセット・モーム原作)を主役で撮るが、それ以後はぱっとしなかった。
永遠のセルマ・リッター
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