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松田定次監督作品
撮影 石本秀雄
出演:
藤村大造 片岡千恵蔵
戸川タマキ 喜多川千鶴
飯島まゆみ 由利みさを
小柳ミチ 美奈川麗子
清水刑事 伊達三郎
清島了助 斉藤達雄○
長島ルリ 奈良光枝◎
戦後しばらく、GHQは片岡千恵蔵らの時代劇映画を封印していた。
彼らは仕方なく、不慣れな現代物にチャレンジした。
「十三の眼」は「七つの顔」に続く大映アクション劇「多羅尾伴内」シリーズ第二弾である。
しかし多羅尾伴内というより、藤村大造でアクションしている時間がかなり長い。
第一作が大人しい作品だったので、二作目は少し派手にしたと言うことか?
千恵蔵のチャンバラ風アクションを楽しめる。
喜多川千鶴が、藤村大造の恩師の娘役である。
立派なヒロインなのだが、いつもながら印象が薄い。
それと比べて、青森出身の大歌手・奈良光枝がやはり歌手役で出演しており、彼女が実にかっこいい。
喜多川千鶴よりずっと見せ場があった。
第一声のイントネーションがおかしいが、青森県人は当時なかなか方言が抜けなかったのだろう。
あとは小津安二郎の作品の常連、斉藤達雄が黒幕の義眼の男で、最後は千恵蔵と派手な殴り合いを演ずる。
当時のアクション作品としては、まずまずの出来ではないか。
最後の吊り天上のシーンは笑ってしまった。
時代劇でも、このオチはやらないだろう。

十三の眼 1947 大映

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