文豪ビクトル・ユーゴーの名作小説「ああ無情」から、ジャン・バルジャンとジャヴェール警部にフィーチャーした非ミュージカル映画。
主演はリーアム・ニーソン、敵役はジェフリー・ラッシュ。共演はユマ・サーマン、クレア・デインズ。監督はビレ・アウグストでチェコを主なロケ地に選んだ。
あらすじ
1812年のフランス。仮出獄したジャン・バルジャンは老司教のところから銀食器を盗み警察に捕まるが、老司教が庇うどころか銀の燭台までくれたのでバルジャンの心は揺さぶられる。
9年後、バルジャンは市長になっていた。そこへかつて彼に鞭をふるったジャベール警部が赴任してきた。その頃、職を追われたファンテーヌは娼婦となったが、いさかいで逮捕されてしまう。事情を知ったバルジャンは病身の彼女を手厚く看護する。同じ頃、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、自分が本物のバルジャンだと名乗り出る。再び追われる身となった彼は死の淵のファンテーヌに娘を引き取ることを誓う。彼女の娘コゼットを連れ出しパリへ潜入し、修道院の庭師として働くことになった。
10年後、二人は俗世界に居を構える。そこでコゼットは青年革命家のリーダー、マリユスと愛し合うようになる。市街戦が起こり、マリユスらに囚われたジャベールをバルジャンは解放する。だが今度は負傷したマリユスを背負ったバルジャンをジャベールが逮捕する。死を決意したバルジャンが目にしたものは、自ら川に身を投げるジャベールであった。
雑感
あっさりした「レ・ミゼラブル」だった。つまらないとは言わないがミュージカルに慣れてしまったせいで、ストレート・プレイでは登場人物が少なすぎて感動しなかった。
また英語劇というのがこの芝居には合っていない気がする。ミュージカルでなければやはりフランス語やラテン言語の方が良い。
「シンドラーのリスト」以来、大作続きのリーアム・ニーソンだったが、この映画は大作感がなくドラマのように感じた。
最近は自らプロデューサーを勤めるテレビドラマの「HOMELAND」しか出ていないクレア・デインズだが、当時は「若草物語」「ロミオ+ジュリエット」「レインメーカー」と立て続けにヒット作品に登場していた。この頃「ブロークダウン・パレス」で舌禍事件を起こした。
スタッフ
監督 ビレ・アウグスト
製作 サラ・ラドクリフ 、 ジェームズ・ゴーマン
原作 ヴィクトル・ユーゴー
脚本 ラファエル・イグレシアス
撮影 イェルゲン・ペーション
音楽 バジル・ポールデュリス
キャスト
ジャン・バルジャン リーアム・ニーソン
ジャヴェール ジェフリー・ラッシュ
ファンティーヌ ユマ・サーマン
コゼット クレア・デインズ
マリウス ハンス・マセソン
ボーヴェ大尉 レイ・ブリノフソン
老司教 ピーター・ボーガン