ブラジルを舞台にしたアクション・コメディ
監督フィリップ・ド・ブロカ、主演ジャン・ポール・ベルモンド。翌年の「カトマンズの男」も同じコンビで撮っている。
ベルモンドの主演作は「タヒチの男」「コニャックの男」と続いているようだが、監督は違うし原題に繋がりはない。
 
共演はカトリーヌ・ドヌーブの姉フランソワーズ・ドルレアック
 

 

あらすじ

 
博物館から彫像が盗まれる。これは三体あるうちの一つであとの二つのうち一体はブラジルにありもう一体は行方不明だがブラジルで消えたらしい。盗まれた彫像の所有者であったカタラン教授が拐われ、さらに消えた彫像の所有者の娘アニエスが誘拐された。彼女の恋人アドリアンはその足跡を追っているうちに飛行機でリオデジャネイロにまで来てしまう。
リオで何とかアニエスを救出することができる。実はアニエスは消えた彫像の隠し場所を知っていた。それを掘り出したところを誘拐した連中に奪われてしまう。そこで二人は最後の一体を持つカストロ氏に会いにブラジリアに行くが、その途中でカタラン教授を救出する。カストロの屋敷でパーティーが開かれ彼らも招かれるが、客が騒いでいる隙をついてカストロ氏が殺され、最後の彫像が盗まれる。犯人はカタラン教授だった。彼は彫像の秘密を解き明かし、財宝の在処が分かったのだ。カタランはアマゾンの財宝の在り処を見つけるが、突然大地震が起き、洞窟が崩落してしまう。アドリアンはアニエスを連れて無事に脱出する。大地震と思ったのは近所のニュータウンの建設工事だった。

 

 

雑感

 
「リオの男」と言う題だが、パリから飛行機でリオデジャネイロに飛んで、そこからまだ何もなかった新首都ブラジリアに移り、最後はアマゾンの奥地へ行く。「ブラジルの男」と言う方が相応しい。
単なる尺繋ぎだったが、JPのアクション・シーンは、スタント一部ありだが、それでも凄い。千葉真一ほどではないが、鍛えている。

筋はもう破茶滅茶である。吹き替え版では、どうして犯人はアニエスを最後まで連れ回したのか分からないが、字幕版で彼はアニエスに愛情を抱いて、いずれは財宝をアニエスに引き継ぎたかった。その犯人は一時間と少しのところで分かってしまう。もう少し謎解きの楽しみが欲しかったが、フランス人はそういう喜びが分からない。

字幕版を観た後、吹き替え版を山田康雄、小原乃梨子コンビで聞いたが、1976年の吹き替えなので、一層ルパン三世の声に寄せていた。

 

 

 

スタッフ・キャスト

 
監督 フィリップ・ド・ブロカ (まぼろしの市街戦)
製作 アレクサンドル・ムヌーシュキン 、 ジョルジュ・ダンシジェール
脚本 ジャン・ポール・ラブノー他
撮影 エドモン・セシャン
音楽 ジョルジュ・ドルリュー

 
配役

アドリアン ジャン・ポール・ベルモンド
アニエス フランソワーズ・ドルレアック (ロシュフォールの恋人たち)
カタラン教授 ジャン・セルヴェ
ララ シモーヌ・ルナン
ディ・カストロ アドルフォ・チェリ
 

リオの男 L’Homme de Rio 1964 フランス製作 東和配給

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