開高健の出世作。
SF社会派小説で、肩の力を抜いた達人・橋爪功が読む。
この後、芥川賞を獲得する。
主人公は農林省山林課員。ある県庁に出向している。
ある年、ネズミの大発生を予測するが、上申書は上司に握りつぶされる。
春が来ると、いよいよネズミが大量発生した。
県民たちはパニックになる。
主人公は鼠害委員会の主力メンバーに持ち上げられ、ネズミの大群と戦うが、多勢に無勢である。
そのうち野党の知事攻撃もかさに掛かってきた。
ある日、主人公は県庁内でねずみ取りのイタチを購入して、ある汚職の証拠をつかむ。
ネズミのパニック映画はいくつかあった。
外国ものだが当然原作もあるのだろう。
ネズミというアイデアだけでは大したことはない。
しかしそこに官僚制を組み合わせた点が、日本らしくて、優れている。
開高健は「巨人と玩具」、「片隅の迷路」しか映画化されていない。
「パニック」や芥川賞受賞作「裸の王様」も映像化して欲しかった。
朗読は、女の声色は全く不要な男声劇である。
TBSラジオドラマで「鬼平犯科帳」を語っていた橋爪には、得意中の得意だ。
官僚社会の複雑な人間関係を演じさせたら、この人の右に出るのは難しい。
開高健が生態系の崩壊を予言して、それを同世代の石原慎太郎がカラス駆除しているのは奇遇である。
(再掲示)
原作:
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ねずみの生態
「ねずみ」について記事を書きましたのでTBさせていただきました。よろしくお願いいたします。
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①昔(昭和37年:1962年ころ)京都国際会館(?・岡崎)で開高健氏の講演を
聴いた。(小生・百万遍の大学生)”日本三文オペラ”を発表し且つ中国視察から帰朝した時期。かなり強烈な印象(具体的な中味は略)を受けた。と言うことで懐かしい作家。妻の故・羊子さん、谷沢永一氏、サントリーの佐治敬三氏、最終的には文芸評論家、平野謙氏の推挽で文壇に登場した事実は広く知られている。特に谷沢氏の支えは美しい。
②瑕瑾をあばくというが如きケチな料簡はないが、この作家が或るWerkに言わずもがなの”UNGEBILDET"なWortを文中に使用したのは遺憾。そんなこと他人に任せればよかったのに。後裔は絶えた?聖人君子を文士に求めないものの、この人の生涯を顧りみると何か”痛ましい”感を抱くのである。
ー越後国:義林房長円ー
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①昔(昭和37年:1962年ころ)京都国際会館(?・岡崎)で開高健氏の講演を
聴いた。(小生・百万遍の大学生)”日本三文オペラ”を発表し且つ中国視察から帰朝した時期。かなり強烈な印象(具体的な中味は略)を受けた。と言うことで懐かしい作家。妻の故・羊子さん、谷沢永一氏、サントリーの佐治敬三氏、最終的には文芸評論家、平野謙氏の推挽で文壇に登場した事実は広く知られている。特に谷沢氏の支えは美しい。
②瑕瑾をあばくというが如きケチな料簡はないが、この作家が或るWerkに言わずもがなの”UNGEBILDET"なWortを文中に使用したのは遺憾。そんなこと他人に任せればよかったのに。後裔は絶えた?聖人君子を文士に求めないものの、この人の生涯を顧りみると何か”痛ましい”感を抱くのである。
ー越後国:義林房長円ー
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越後国:義林房長円様、コメントありがとうございます。
またよろしくお願いします[E:confident]
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