アーヴィング・バーリンの名曲「ホワイト・クリスマス」を生んだ戦時中の名画。アカデミー歌曲賞受賞作。
アメリカの休日だけパーティー営業を行う、コネチカット州の宿屋のお話。もちろん、ミュージカル映画だ。
製作・監督はマーク・サンドリッチ、映画音楽はアーヴィング・バーリンの曲を使っている。
主演はビング・クロスビー、フレッド・アステアで共演はヴァージニア・デール。
あらすじ
歌手ジムはダンサーのライラと婚約し一緒にコネチカットで引退し農園を開くつもりだった。しかし結婚する直前、ライラはテッドとチームを組んで巡業に出る方を選ぶ。
ショックを受けたジムは一人でコネチカットに引っ込み、一年間野良仕事をして過ごすがつまらない。そこで祭日だけコンサートを開けるように改造した。そして安くても働いてくれるニューヨークのバンドマンや歌手たちを集めるのだった。そこでジムはリンダと運命的な出会いをする。クリスマスの日、工事中のホテルへテッドから招かれたリンダは、テッドが弾き語りをする「ホワイト・クリスマス」にすっかり魅せられる。
まずはニューイヤーイブからホテルの仕事は始まる。大盛況だった。ところがテッドがライラに振られて、やけ酒を飲んで、ホテルにやってくる。そこでリンダと「ドランク・ダンス」を踊って大いに受ける。しかしテッドは面白くない。
リンカーンの誕生日も彼らはリンダをスカウトにやって来る。しかしその日は黒人解放に因んでブラックフェイスショーだったから、誰が誰だかわからない。
続いてヴァレンタインデーがやってくる。そこでテッドはとうとうリンダを見つける。独立記念日の日、ハリウッドの関係者をテッドはホテルに招待する。そこでジムがリンダがホテルに来られないように仕組んだので、リンダは怒ってしまい、リンダはテッドと共にハリウッドのスタアとなった。感謝祭の頃、二人の婚約が新聞に発表された。また恋人を奪われたジムだったが、女中マミーの言葉に発奮する。クリスマスにハリウッドへ乗込むと、スタジオに潜入し、「ホワイトクリスマス」のセットに隠れて、リンダにサプライズを仕掛けると、リンダはジムの腕に飛び込んだ。
雑感
楽曲「ホワイト・クリスマス」は初め全く期待されてなかったようだ。もともと「トップハット」でアステアのために作ったが、マーク・サンドリッチ監督はNGだった。そんなわけで「スイング・ホテル」でビング・クロスビーにチャンスが回った来た。結局この歌は十一週連続ヒットチャート一位を続け、クリスマスのたびにチャートを上がってきて、現在でも史上2位の売り上げを誇る現役アルバムだ。
のちにカラー映画でビング・クロスビーが主演してリメイク作として映画「ホワイト・クリスマス」が撮られる。共演はダニー・ケイ、ローズマリー・クルーニー、ヴェラ-エレン。
世界中にあるホテルチェーン「ホリデイ・イン」の名称はこの映画に因んでいる。
マージョリー・レイノルズはチャーミングな女優さんだ。でも歌は吹き替えだ。この後、ブリッツ・ラング監督の「恐怖省」で主演レイ・ミランドのヒロインを演ずる。
途中、戦争が始まったばかりなので戦意高揚シーンがある。スクリーンに巨大なルーズベルト大統領の顔が出てくる。正面から見たことなかったから驚いた。
戦後に映画館でこれを見た人は複雑な思いだったろうな。
スタッフ・キャスト
監督 マーク・サンドリッチ
製作 マーク・サンドリッチ
原作 エルマー・ライス
脚本 クロード・ビニヨン
撮影 デイヴィッド・エーベル
音楽 アーヴィング・バーリン
配役
ジム ビング・クロスビー
テッド フレッド・アステア
リンダ・メイスン マージョリー・レイノルズ
ライラ ヴァージニア・デール
女中マミー ルイス・ビーヴァース
ガス アーヴィング・ベーコン