実質70分あまりの中編映画。アメリカの映画祭ファンタスティック・フェストにおいて公開された。
主演はイライジャ・ウッド、復活を賭けるピアニストの役だが上半身がカメラに映る演奏シーンは殆ど吹き替え無し。
キーになるピアノの難曲は、音楽家でもある監督 エウヘニオ・ミラ自らが作曲したものである。

あらすじ

トム・セルズニックは若手で期待されたピアニストだったが、難曲の演奏に失敗してスランプに陥った。以来5年間人前に出ることを避けていた。
しかし人気女優である妻エマの懇願で恩師パトリックの追悼コンサートに出演して、97鍵を持つベーゼンドルファー・インペリアルで演奏することにする。
会場に到着して、指揮者やシカゴフィルのメンバーと再会する。しかしそこには何か妙な空気が流れていた。
会場の職員から楽譜を渡され、本番の演奏を開始する。しかし楽譜に指示が書き込まれていた。
「演奏で一音も間違えてはならぬ、もし間違えたらお前や妻の命の保証はない」。
職員が仲間なのは分かったが、黒幕は誰なのか?やがて楽屋でイヤホンを渡され、黒幕の声が聞かされる。このベーゼンドルファーには仕掛けがあって、トムがかつて演奏に失敗した「ラ・シンケッテ」を完璧に弾くと機械仕掛けで中から鍵が出てくるはずなのだ。その鍵を使えば、恩師の遺産が手に入ると言う。その仕掛けを作った錠前師がこの黒幕だった。
トムは会場にいるエマに伝えようとして、友人ウェインを使って連絡させようとするが、職員に見つかりアシュレーは殺されてしまう。それを知ったトムは、人頼みでは何もできないと悟り、自分の力で黒幕を倒そうと考える。
彼は「ラ・シンケッテ」の最期の部分でわざと間違えて、怒った黒幕を天井裏におびき出す。そしてピアニストの驚異的な腕力で黒幕もろとも天井からピアノの上に落下する。
黒幕はピアノに激突して死に、トムは足の骨折だけで助かった。ピアノは壊れたが、あのフレーズを弾き直すと、鍵が現れた。

雑感

好きなベーゼンドルファーのピアノを使っているので観たが、さして面白くなかった。だいたい、ピアニストが協奏曲の演奏中に楽屋に度々消えることがあるのか。
ただ、イライジャ・ウッドのピアニストとしての演技はすごいと思った。どうしてこんな映画でそこまでやるのw。
犯人役ジョン・キューザックは声でわかる人には良いが、そうでない人には手がかりも与えられず最後に突然現れた犯人でしかない。しかも比較的あっさりと倒されてしまう。少し拍子抜けした。
スペイン映画なのに英語劇であるように特殊な企画映画のようで、字幕だとか吹き替えで見ている人のことを考える余裕はなかったようだ。

スタッフ・キャスト

監督 エウヘニオ・ミラ
脚本 デミアン・チャゼル
製作 アドリアン・ゲラ、ロドリゴ・コルテス
製作総指揮 ヌリア・バルス他
音楽 ビクトル・レイェス
撮影 ウナクス・メンディア
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出演
イライジャ・ウッド トム・セルズニック
ジョン・キューザック スナイパー
ケリー・ビシェ エマ・セルズニック
タムシン・エガートン アシュリー
アレン・リーチ ウェイン
グランド・ピアノ 狙われた黒鍵 (Grand Piano) スペイン制作 米マグノリア映画配給 「ピアノの皇帝」ベーゼンドルファー・モデル290インペリアルを使ったサスペンス作品

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