「アーサー王物語」のアーサー・ペンドラゴンが、聖剣エクスカリバーを手に入れて使いこなし、両親の仇を討って英国王になるまでを描く、ガイ・リッチー監督によるコスチューム・アクション映画。
主人公アーサーを映画「パシフィック・リム」のチャーリー・ハナムが、悪魔に魂を売ったヴォーティガン王をジュード・ロウが演じる。

あらすじ

ユーサー王夫妻は、愛妻を生贄に捧げてまで悪魔の力を得た弟に殺されるが、亡くなる寸前に息子アーサーを船で逃がし、聖剣エクスカリバーを封印した。
息子は売春宿の女たちに救われ、売春宿の用心棒に成長する。そして聖剣エクスカリバーが再び現れたことで、真の王が帰ってくるという噂が流れ始める。

ヴァイキングを痛め付けたアーサーは国王軍に捕まった。ヴォーディガンはユーサーの息子を見つけるため、若者に聖剣エクスカリバーを抜かせて、抜けなかった場合は焼印を押していた。アーサーは、誰にも抜くことのできなかった剣を、あっさり引き抜いてしまう。アーサーは軍に捕らえられ処刑場に連れて行かれるが、ユーサー王の部下だったベディヴィアと魔術師メジアに救い出される。
手に入れた聖剣エクスカリバーのおかげで、アーサーは悪夢を見る。メイジアは、アーサーに本当の力を得させるため、ダークランドへ向かわせる。アーサーが目的地にたどり着くと、両親がヴォーディガンによって殺された瞬間をまざまざと思い出す。ユーサー王はヴォーディガンにエクスカリバーを奪われぬよう、自ら石となり聖剣を守り抜いたのだ。

アーサーは父の復讐をすることを決意する。仲間達と共に作戦通りヴォーディガンをロンディニウムへおびき出すことに成功する。騙された振りをしてヴォーディガン軍はアーサー達を待ち受けていた。絶対絶命に陥ったその瞬間、アーサーはエクスカリバーを抜き、一気に敵を一掃する。

アーサー軍はヴォーディガンの塔を倒しに向かう。しかし魔術師らが捕らえられる。アーサーはエクスカリバーと交換に魔術師を取り戻す。そしてヴォーディガンを討つため、素手で向かうが、メイジアは大蛇を塔に送り込む。
大蛇が、国王軍を次々と倒していく。アーサーはその隙にエクスカリバーを取り戻した。ヴォーディガンは自分の娘を生贄にして黒魔術の力を手に入れるのであった。
塔の頂上で、アーサーとヴォーディガンは剣を交えるが、黒魔術の力を得ていたヴォーディガンに圧倒される。しかし父が弟に討ち取られる瞬間を白昼夢に見て、アーサーは父の力を得てエクスカリバーでヴォーディガンを討ち取る。
アーサーは英国王となり、円卓の騎士となった仲間達と共に国を治める。

 

雑感

アーサー王の物語と言いつつ、中身は北欧神話が強く影響した作品。
この年の映画で最もこけた作品らしい。確かにCGが子供騙しで完全にアニメだった。ディズニーじゃなきゃダメだ。他にも勘違いしている部分は多かったが、そこまで酷く叩かれる理由はよくわからない。アメリカで稼ぐのではなく、ヨーロッパで稼いでアメリカに凱旋すれば良かったのに。
考えるに、ガイ・リッチーはジョン・ウーもどきでワン・パターンの監督なので、飽きられたのだろう。黒人や中国人を円卓の騎士にするという、保守派に怒られそうなことをしていた。
ヒロインが出てこなかったというのもある。ヒロインが似た感じの「ドラゴン・タトゥーの女」を思い出したが、メイジの方は色気が全くなかった。濡れ場の一つも挿入することはできたろうに。
実は「キング・アーサー」シリーズは「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」「指輪物語」のように全六話の企画だったのだが、第一作で終わりになる可能性が大きい。第二作を配信で見たかったけれどね。
これだけひどい目に遭いながら、リッチーは2019年ディズニー実写映画「アラジン」の監督をさせてもらっている。(おそらく「キング・アーサー」公開以前に契約したのだろうが)

スタッフ

監督 ガイ・リッチー
製作 アキヴァ・ゴールズマン 、 ジョビー・ハロルド 、 トーリー・タネル 他
製作総指揮  デイヴィッド・ドブキン 、 ブルース・バーマン
原案 デイヴィッド・ドブキン 、 ジョビー・ハロルド
脚本 ジョビー・ハロルド 、 ガイ・リッチー 、 ライオネル・ウィグラム
撮影 ジョン・マシーソン
音楽 ダニエル・ペンバートン

キャスト

アーサー チャーリー・ハナム
ヴォーティガン王 ジュード・ロウ
メイジア アストリッド・ベルジェ=フリスベ
ベディヴェール卿  ジャイモン・ハンスゥ
ビル卿  エイダン・ギレン
父ユーサー エリック・バナ
ジョージ トム・ウー
ウェストスティック キングスレー・ベンアディール
バックラック ニール・マスケル
マギー アナベル・ウォリス
トリガー デヴィッド・ベッカム

 

キング・アーサー King Arthur: Legend of The Sword 2017 米ワーナー・ブラザーズ製作・配給

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