髑髏島に住むコングと巨大生物が登場し、襲われた米軍兵士と民間人のサバイバルを描くモンスター映画。
キングコングの体長は31.6mという設定。史上最大だ。
監督ジョーダン・ヴォート・ロバーツ。
主演トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン。
あらすじ
1944年の太平洋戦争末期、P-51戦闘機のパイロットだったハンク・マーロウは撃ち落とされパラシュートで脱出し、不時着した。そこに日本兵碇軍平も先に脱出していたが、二人の前に巨大な類人猿が姿を現したため、二人は一時休戦して類人猿と戦った・・・。
1973年ベトナム戦争からの撤退が決定された米国の首都ワシントンでは、政府の機関「モナーク」所属のランダが研究予算を勝ち取っていた。赤道直下エクアドル沖にある髑髏島での地質研究に陸軍の協力を仰ぐためだ。米軍からはベトナムから撤退したばかりのパッカード大佐率いる攻撃ヘリ部隊の協力を得た。ランダはさらに元SAS(特殊空挺部隊)コンラッド大尉に現地のガイドを要請した。また従軍カメラマンであるウィーバー女史も参加した。
髑髏島には、護衛艦で近づき攻撃ヘリ部隊で上陸する。そこで島の地理的形状を知るためにサイズミック・チャージ(振動発生弾)を投下する。
その時巨大な類人猿が現れ、ヘリコプターに攻撃を加えて、全機墜落させられる。
生存者は、コンラッドの民間人グループとパッカードの米軍グループ、さらにチャプマン一人の三つに分かれてしまい、それぞれ連絡を取る術を持たない。
コンラッドとウィーバー、ブルックスらのグループは、護衛艦と3日後に落ち合う島の北岸を目指す。
一方、パッカードは、ランダの目的は地質調査でなく巨大生物を発見することだと聞かされる。パッカードは、部下のチャプマンを探すことを優先する。
コンラッド達は原住民の集落を発見した。原住民の中から米軍兵士マーロウが現れた。1944年に髑髏島に以下碇軍平と共に不時着し、以後原住民と平和に暮らしていた。原住民によるとコングは彼らの守神だと言う。
マーロウは徒歩で島の北岸に出るのはモンスターと遭遇する確率が高くて危険だと言う。そこで碇とかつて作っていた船「グレイ・フォックス号」を使って脱出することを勧める。彼もコンラッド達と一緒にアメリカに戻ることを決意した。
その後コンラッド達はパッカードと連絡が付き、彼らは合流する。しかしパッカードはチャプマン救出に拘り、コンラッドも同意する。道中で一行を蜥蜴怪獣は襲うが、何とか倒す。しかしランダが喰われてしまった。蜥蜴の死体のそばにチャプマンの認識票があった。チャプマンはこの蜥蜴に食べられたのだ。
パッカードはコングへの復讐のため、墜落したヘリから武器弾薬を回収すると、コングをおびき寄せて殺す準備を始めた。
コンラッドは、パッカードを説得しようとしたが、ベトナムから撤退させられた彼は欲求不満で聞く耳を持ってくれなかった。
そこへ、巨大蜥蜴スカル・デビルがコングのところへ向かってきた。コングはパッカードとスカル・デビルに挟まれて追い詰められた。パッカードは火をつけて、コングを焼き殺そうとした。敢えなくコングに踏み潰される。コングは火の海に飲み込まれて、湖に沈む。
今度はスカル・デビルがコンラッドたちを攻めてくる。傷を癒したコングが彼らの前に現れ、スカル・デビルと死闘を繰り広げて何とか倒す。コングは山奥に帰って行く。護衛艦に救助された探検隊員は、わずか8人だった。
アメリカへ帰ると、マーロウは残した家族の元へ向かい、息子や妻と28年ぶりの再会を果たした。
ウィーバーとコンラッドは、帰国後すぐに当局に拘束される。当局に属するブルックスは、髑髏島以外にも怪獣が実在したことを示唆した。
雑感
思ってもみなかったほど日本に対するリスペクトを感じる作品だった。チャプマンの前でコングがタコの怪獣を引き裂くシーンは1962年東宝映画「キングコング対ゴジラ」の島でのキングコング対大ダコのシーンと全く同じである。アメリカのオリジナルにもあったが、あれは東宝のシーンだろう。
しかもB級配役ではなく、脇役はサミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリーというA級俳優が固めている。有島一郎、高島忠夫、佐原健二の東宝よりも俳優を揃えてきた感がある。
キングコングはもはや着ぐるみでなく、スーツ・アクターのモーション・ピクチャーにアニメを重ねたCGだ。他の怪獣はもちろん全てCG。
ちなみに女性は二人いるが、コングはブリー・ラーソンの方に気を許しているようで、スカル・クローラーから助けたりする。西洋人種を好み、東洋人種を嫌うあたりは伝統的キングコング像に通ずる。東宝でもバタ臭い浜美枝だったから。
これは2014年の「Godzilla ゴジラ」に続く映画だが、コロナで公開延期になったがさらに翌2021年に第三弾「コング対ゴジラ」の公開が控えている。
登場する怪獣一覧:
コング(類人猿)
スケル・バッファロー(水中に隠れていた野牛,大人しい)
バンブー・スパイダー(竹のような脚を持って林で獲物を待つ蜘蛛)
スポア・マンティス(弱い巨大カマキリ)
リバー・デビル(巨大な川タコ)
スカル・クローラー(二つしか脚がない蜥蜴)
スカル・デビル(蜥蜴のラスボス)
ラストで実在を示唆された怪獣:
ゴジラ
ラドン
モスラ
キングギドラ
スタッフ
監督 ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
脚本 ダン・ギルロイ 、 マックス・ボレンスタイン
製作 トーマス・タル 、 マリー・パレント 、 ジョン・ジャシュニ 、 アレックス・ガルシア
製作総指揮 エリック・マクレオド 、 エドワード・チェン
原案 ジョン・ゲイティンズ 、 ダン・ギルロイ
撮影 ラリー・フォン
音楽 ヘンリー・ジャックマン
視覚効果シニアスーパーバイザー スティーブン・ローゼンバウム
視覚効果スーパーバイザー ジェフ・ホワイト
キャスト
ジェームズ・コンラッド トム・ヒドルストン
プレストン・パッカード サミュエル・L・ジャクソン
ビル・ランダ ジョン・グッドマン
メイソン・ウィーバー ブリー・ラーソン
サン (中国系科学者) ジン・ティエン
残留兵ハンク・マーロウ ジョン・C・ライリー
ジャック・チャップマン/キングコング・モーションキャプチャー トビー・ケベル
ビクター・ニーブス ジョン・オーティス
ヒューストン・ブルックス コーリー・ホーキンス
ミルズ ジェイソン・ミッチェル
コール シェー・ウィガム
スリフコ トーマス・マン
レルス ユージン・コルデロ
キングコング・モーションキャプチャー テリー・ノタリー
日本兵グンペイ・イカリ 雅(MIYAVI)