ベトナム戦争物。ブライアン・デ・パルマ監督が実話を映画化したものだ。
マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ジョン・C・ライリー主演。
米軍の集団レイプ殺人事件を告白する新兵の運命や如何に?
「ベトナム戦争は仕方ない。でも兵士にも、やって良いことと悪いことがある。レイプだけはダメだよ。」と言いたいのか?
やはりおかしい。
のんきな日本人の感覚からすると、
「お前ら、戦争で人を殺してるんじゃねえか。戦争してるだけで犯罪ではないか!しかも戦闘員か非戦闘員か、よくわからない場合もみんな殺してるじゃないか。そんなことをしていて何の罪にもならず、レイプ殺人だけを犯罪と認定して逮捕するのは、おかしいのではないか?」
と思ってしまう。
(そう言う日本人の考え方も青いとは思う。)
アメリカは節度を守って戦争をしている紳士の国だというのかも知れない。
20世紀の戦争は、そういう節度自体が狂っている。
空爆や原爆で非戦闘員をまとめて殺してしまう時代だ。
こんな時代に戦場でクレイジーになったショーン・ペンより、頭がおかしくならないマイケル・J・フォックスがどうかしている。
マイケルはルター派の信者という役だったが、プロテスタントは戦争する宗教だということを実感した。
カトリックも同じ事だが。
ショーン・ペンは演技力が増した今、この映画に出演していたら、違う演技になっていたのではないか。
カジュアリティーズ(1989)コロムビア/トライ・スター