原作梶原一騎、作画つのだじろうの漫画からアニメにもなった「空手バカ一代」が、実写版映画になった「けんか空手」シリーズ第2弾。主演は前作「けんか空手極真拳」に引き続いて千葉真一。多くの脇役陣が前作に引き続いて登場する。
今回の敵はヒグマの着ぐるみと、実際は大山倍達の義弟である藤巻潤。極真会館七段の石橋雅史も再びライバル役で登場する。

あらすじ

錬心館を訪れた大山は竜道寺重成に試合を申し込むが断わられ、その代わり門弟たちに闇討ちされるが、大山は返り討ちにする。この事件で空手に嫌気が差した大山は少年航空兵時代の仲間で暴力団組長になった木村と再会し、彼の用心棒になった。池袋にやって来た智八子は大山を探し出し、ついに大山と再会する。大山は彼女に諫められたので、暴力団を辞めて空手の修業に励む。大山の舎弟小鶴の恋人である寿美子は竜道寺重成の邪心によって転落死に追い込まれ、小鶴も単身で竜道寺を刺そうとするが正当防衛で抹殺される。大山は堪忍袋の尾がきれ、ついに竜道寺重成を掴まえ再起不能に追い込む。
大山は供養のため小鶴の故郷北海道へ向かった。そこで出会った倫太郎少年には優しい父親がいたが、父親は鉱山の落盤事故で大怪我をする。大山は少年が不憫だったので、父親の治療費を作るために、地元の興行主の下でヒグマと対決する。智八子はヒグマとの危険な対決を辞めるように頼むが、大山は断わった。
大山は見事にヒグマを倒して、その話題は東京にも知られるようになる。早速大山の元に竜道寺の弟重隆から果し状が届く。翌朝、大山は治療費を父親の枕元に置いて、東京へ舞い戻り決闘場に向かった。沖縄で厳しい修行を積んだ重隆は兄よりも上手だったが、大山は隙を作って自らを打たせながら、二本指で重隆の両目を潰して破る。

雑感

話の内容は前作と違い、フィクションが多くなり、あっけに取られてしまう。(次回作の第三部には有名な事実も描いている)
牛殺しの大山倍達がヒグマを倒したという話は聞いてないので、フィクションだと思う。それにしても赤影に派手な化粧をしてラスボスとして出演していた天津敏が北海道の興行主役で、ヒグマが着ぐるみだと子供向け特撮映画にしか見えない。

大映映画出身の藤巻潤もプロレスラー並みの良い体をしているが、最後は大山倍達に「目潰し」を食らって倒されるなんてw。確かに何でもありの極真「けんか」空手だが、それこそただのけんかだ。
この作品で恋人の智八子とは結局別れてしまう。実際の奥さん(智弥子)とはすでに昭和22年に結婚していた。

スタッフ

企画 太田浩児
原作 梶原一騎 、 影丸譲也(公開当時の「空手バカ一代」の作画が劇画調に変わり、影丸氏に交代したため)
脚本 掛札昌裕 、 中島信昭
監督 山口和彦
撮影 中島芳男
音楽 菊池俊輔

キャスト

大山倍達  千葉真一
藤巻智八子  多岐川裕美
竜道寺重隆  藤巻潤
竜道寺重成  石橋雅史
小鶴誠  湯原昌幸
野川寿美子  中島ゆたか
大橋耕一 荒木茂
ムッシュ小島  由利徹
山本浩太郎(少年の父)  近藤宏
門田勲  苅谷俊介
木村仙八組長 室田日出男
ハラダ 中田博久
ブラック・ジャック  安岡力也
興行主藤村富蔵 天津敏
神部十三郎  八名信夫

けんか空手 極真無頼拳 1975 東映製作・配給

投稿ナビゲーション