三島由紀夫を映像化した増村保造監督作品。東大法学部同級生コンビ(と言っても当時すでに三島はこの世にいなかった)が送るカルト名作だ。

麗子は音楽が聞こえないと訴える。
精神科医師の汐見はこの患者に強い興味を持つ。彼の治療を受ける過程で、麗子は「男性と交わっても感じない」と打ち明ける。
麗子は娘の頃、許嫁の男に犯されたのが原因ではないかと考えていた。
汐見医師は彼女に連想法を施す。彼女の夢にはハサミが出てきた。時には男性的な牛の耳として、時には女性の脚として。
彼女は江上という男とつきあっているが、やはり感じない。旅に出た彼女は、通りすがりの不能の男をホテルに誘う。
彼女は相手が不能だと安心して感じるのだ。
しかしそれを見て男も、不能が直ってしまい、麗子を犯す。麗子は疲れ果てて、再び汐見医師の元に向かう。そして5年前の兄との異常な夜のことを語る。
兄の愛人が見ている前で、兄に犯されたのだ。思わずハサミを握りしめたが、使えなかった。汐見は麗子に兄の元へ行こうと誘う。もう一度兄と会って呪縛を解いてもらうのだ。

 

強烈なブラザーコンプレックスの話。音楽の話が本当かウソか、わからなかったが、不感症が精神的要因からくることはあり得る。とくに最初の一発が強烈な場合は、ありそうな話だ。
黒沢のり子はこの当時は東宝所属だった。見た目のように、実に濃い女優さんだ。後に、にっかつで「人妻集団暴行致死事件」(1978) を撮った。
細川俊之は精神科医の役が嵌っていた。
モロボシダンこと森嗣浩司にとっては代表作。
しかし今時ハサミを夢に見るフロイト的患者はいるのだろうか。

 

音楽 1972 ATG(日本)

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