西郷輝彦の大ヒット曲「星のフラメンコ」をあちこちに織り込みながら、単なる歌謡映画の枠を超えて、日本と台湾の架け橋になろうとした台湾人音楽教師の半生を描く。
原案は石森史郎、脚本は倉本聰で主演西郷輝彦、汪玲

 

 

Synopsis:
商船大学で学ぶ西条英司は、妹チノと先輩渡瀬の結婚式をまじかに控える。渡瀬は自分の代わりに一度台湾への航海へ出てみないかと英司を誘い、英司は喜んで参加する。
実は英司たち兄妹は台湾で育ったが、父親は既に亡くなり母親は台湾人なので戦後台湾に残ったがそれ以来消息が知れない。二泊三日の間に母親を探し出し、妹の結婚式に招待したいのだ。
台北に着いた日に小学校で童謡「七つの子」のメロディーを子供達に教える華琴と出会う。さらに日本でデビューを目指している彩虹とも出会うが、何と華琴と姉妹であった。役所をたらい回しにされた挙句、母親は何故か華琴の住所に住んでいたが、今はおらず、かと言って日本にも帰っていないことがわかった。
翌日、華琴は英司を自宅に招くが、当の華琴は姿を消して彩虹と両親が歓待する。しかし使用人が英司に日本に帰れと告げる。どうやら母親から華琴の両親がこの家を買ってトラブルがあったらしい。失意のまま去ろうとする英司に彩虹は明日高雄へ行けとだけ言う。

 

 

 

ホテルへ戻るとかつて台湾で使用人だった男が手紙を置いて行く。そこには母の字で自分は日本と台湾の友好のため、台湾に残るとあった。
翌朝、高雄へ行くと華琴がいた。母は自宅を華琴の両親である周さんに売却したが、周さんが資金繰りに詰まり代金を払うことができなかったため、来日することができなかったのだ。それを聞いても英司には周一家を恨む気持ちはなかった。そして母の行方を探したが、転居を繰り返しており努力の甲斐なく母の手がかりは途絶えた。
日本に戻り、母は娘の結婚式に行きたいと思わないのかと英司は荒れたが、そんな彼を諭してくれたのは渡瀬だった。妹の結婚式は氷川丸船上で行われ、英司は母の代わりに「七つの子」を歌った。
ある日、英司が帰宅すると華琴がいた。彩虹が母親の墓を探し当てたと言う。翌日飛行機で台湾に向かい、真っ直ぐ母の墓地へ行った。彩虹や両親も一緒だった。
英司が日本へ戻る際、華琴が必ず日本へ行くと言ってくれた。

 

 

 

単なる母探しかと思うと、戦時中の日本と台湾、それに中国国民党(蒋介石)以後の台湾の歴史が絡む深いお話。
短い作品のため、台湾の歴史についてあまり語られておらず、何故昭和30年に急に母は家を売りに出して日本に帰ろうとしたのか今の人間に伝わらず、その点は物足りない。
キャストを改めて、完全版を作って欲しいと思った。

 

 

汪玲は美人だが、中国美人だ。
彩虹を演じた光川環世は台湾生まれの台湾人だったが五歳で来日して日本でお色気女優になった。この時代の方が台湾ぽくて好感が持てる。胸も大きい。

 

 

監督 森永健次郎
原案 石森史郎
脚本 倉本聰
企画 横山弥太郎
撮影 藤岡粂信
音楽 鏑木創

 

主役
西郷輝彦
 西条英司
汪玲 林華琴
藍芳 林彩虹 (日本の芸名は井上清子、光川環世
川地民夫 渡瀬哲
松原智恵子 チノ
嵯峨善兵 財前公之助

 

 

 

遙かなる慕情 星のフラメンコ 1966 日活 日本と台湾の忘れ去られた過去

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