巨匠チャン・イーモウ監督演出、
日中合作のメロドラマ。
封建時代の恋愛は、どこまで行っても報われない。
菊豆とは主人公の女性の名前だ。
1920年代、菊豆(コン・リー)は貧しい生まれだったため、染め物屋の楊家に嫁として、売られてきた。
ところが夫は老齢で既に不能であり、夜な夜な菊豆をSMプレイでいたぶるだけ。
やがて菊豆は、同居している養子、天青(リー・パオティエン)と愛し合い、一子を儲ける。
夫は自分の子だと信じており、大喜びだ。
しかし夫は痛風で半身不随となり、今度は逆に菊豆と天青から虐待を受ける。
やがて夫は亡くなり、菊豆と天青に幸せが訪れるかと思われたが、封建時代は、二人の仲を決して許してくれなかった。
定めで未亡人の菊豆は再婚してはならず、天青も楊家から出されてしまう。
それでも不義密通を重ねる二人だが、13歳になり思春期に入った天白は、決して天青を実父とは認めようとせず、反発を繰り返し、やがてそれが恐ろしい結末へと繋がっていく。
何か松竹か大映の60年代のドロドロ・メロドラマという雰囲気のお話だ。
今の日本ではこういう古典的な映画を撮ることはできないから、新鮮味がある。
中国に限らず封建主義の恋愛ってのは、どこの国でも似たような物だ。
染物屋ということで美術の色の使い方がとても美しい。
現像を日本のイマジカが担当したので、普通の中国映画より一段上の発色だ。
赤、黄色、橙の染め物が干され、風になびくシーンは美しい。
また水車の音がラブシーンのメタファーとして使われているのも印象的だ。
主演のコン・リー(「始皇帝暗殺」)は、まだこのとき、23か24の筈。
チャン・イーモアの愛人であり、「紅いコーリャン」に続いて、2度目のチャン作主演。
しかし、この年齢にしては、凄まじい演技力だ(笑)
あきれてしまった。
大竹しのぶの23のときよりも凄い。
大竹に倍賞美津子を足したぐらいの力がある。
やはり日本人の10倍いる人口をフルに活用して、女優をオーディションしてるんだろうなあ。

菊豆 (1990, 中国+日本)

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