数多くのB級映画を製作しているバート・I・ゴードンによるC級ホラーw。
かつての二枚目スター、リチャード・ カールソン(戦前はウィリアム・ワイラー「偽りの花園」にも出演していたが、1950年代からSFホラーの常連に)が48歳にしてムキムキの筋肉美を見せつけ、若い娘をメロメロにして結婚する役で主演。しかし良くある話で、主人公にはかつての愛人がいて、ストーキングされている。

日本劇場未公開。

 

 

Synopsis:

ピアニストのトムは離れ小島で金持ちの娘メグと結婚することになっている。そこへかつての愛人で歌手のヴァイが押しかけてきた。トムは古びた灯台に連れ込み、別れ話を切り出す。ヴァイは怒って、昔トムからもらった恥ずかしい手紙をメグに見せると脅す。トムと揉み合う内に、ヴァイは足を踏み外して灯台のテラスから落ちそうになる。トムは助けることができたのに放置したため、彼女は力尽きて真っ逆さまに海へ落ちた。その後トムは彼女の遺体を探すが、どこにも見つからなかった。

 

それ以来、トムは罪の意識からヴァイの幻想を見始める。彼にしか見えないのだが、彼の慌て方を周りの人間は訝しく思い始める。とくにヴァイを島まで送った船頭ニックは、トムを脅迫する。トムはニックを灯台に連れて行き、殺して海に捨てる。ヴァイが私と同じように殺してしまえと囁いたからだ。

しかし殺人の様子をメグの幼い妹のサンディーが見ていた。次にトムはサンディーに魔手を伸ばすのだが・・・。

 

 

おそらく、「アメリカの悲劇」「陽のあたる場所」にインスパイヤされた映画だ。しかしアメリカ人なのに罪の意識に苛まれて亡霊が見えるという、日本的な怪談でもある。

 

音楽は賑やかなジャズを使っている。そして幽霊の登場シーンでのみテルミンを使っている。この辺りは、日本人のセンスと全然違う。

 

配役では子役ジュリー・レディングが好救援。彼女の存在のおかげで、映画にほのぼのした感じやサスペンスなど、いろいろな味付けが施された。年が若いためクレジット順は低いが、完成版映画では準主役の扱いになっている。

 

実は生首は飛んでいない。机の上に浮いているだけである。おそらく予算的に映像合成が面倒だったのだろう。
なのに原題 ”Tormented”(「罪悪感に苛まれて」の意)に対して「空飛ぶ生首」と邦題を付ける、ビデオ会社のセンスがエグい。新東宝出身の宣伝マンではないか。水野晴郎先生もさすがに怒っているかも。

 

 

 

監督・製作・原案 バート・I・ゴードン
脚本 ジョージ・ワーシング・イエーツ
特撮: バート・I・ゴードン 、フローラ・M・ゴードン
編集: ジョン・ブッシェルマン
音楽: アルバート・グラッサー

 

 

出演:
リチャード・カールソン (ジャズピアニスト)
スーザン・ゴードン (愛人)
リュージェン・サンダース (婚約者)
ジュリー・レディング (婚約者の妹サンディー)
ジョー・ターケル (船頭)
リリアン・アダムス (盲目の家主)

 

空飛ぶ生首 (Tormented) 1960 Allied Artists アメリカ

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