篠田正浩監督が、珍しく名作を作った。
今ひとつこの人の作品は俺と合わないんだが、この映画に限っては素晴らしいと思う。
 

阿久悠の原作。
子どもの頃の想い出を小説にしたのだろう。
淡路島の子どもたちの戦後を、野球を通して描いている。
出演者の表情が明るい映画だが、実はいろいろと考えさせられる映画である。
登場人物の心の内を覗いてみれば、ずたずたに引き裂かれている。
でも子どもたちは、みんな心から笑ってる。
 

この映画の夏目雅子は、学校の先生役を好演だ。
「鬼柳院花子の生涯」や「時代屋の女房」の夏目は好きではなかったが、銀幕最後のこの作品での演技は、素晴らしい出来だった。
実に凛々しかった。
「二十四の瞳」の大石先生もぜひやってもらいたかった。
小豆島は隣の島やないか。
 

郷ひろみと並んで、渡辺謙も好演。
今より上手じゃないか。
他にも、ちあきなおみが顔を見せてくれる。

瀬戸内少年野球団 1984 日本ヘラルド

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