日本を代表する中原俊監督(「12人の怒れる日本人」、「歯科医」)の傑作映画、
90年のキネマ旬報邦画一位。
原作は吉田秋生の漫画である。
今年も桜が咲き誇る中、同じように創立記念日がやってくる。
女子高校の演劇部は創立記念日に毎年、チェーホフの「桜の園」を上演する習わしだった。
上演前日に演劇部の杉山(つみきみほ)が喫煙して補導され、「桜の園」が上演できるかどうか、職員室で激論が戦わされてる。
主演の倉田(白鳥靖代)は体調が悪く、公演が中止になれば良いと思っている。
そんな倉田を部長の志水(中島ひろ子)は一人気遣う。
顧問の里美先生(岡本舞)は生徒達にまったく期待されていなかったが、涙ながらの主張でなんとか上演できることになる。
そんな中で、志水部長は杉山に「志水さんは倉田さんのことが好きなんでしょ」と見抜かれる。

作品では当時の女子校三年生の微妙な心の移ろいを巧みに描き出している。
女子校というものを知らない男性は、覗き見しているような気になる。
なかなか興味深い作品だった。
少数の上手な俳優を使い、音楽はショパン、天気は晴、桜が風に散っていく。
日本的な美の世界を映画の中で見事に表現している。