原節子の智恵子の演技が鬼気迫っている。
高村光太郎は山村聡、母は三好栄子、姪秋子は青山京子が演ずる。
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智恵子本人は線の細い人だとばかり思っていたが、案外ポッチャリした人であるようだ。
その意味で原節子は決してミスキャストではなかったのだが、やはり発病のプロセスがわからないと納得いかない点がある。
智恵子は神経質で薬の常用者であり、自分の絵の才能に限界を感じていた。
家庭に籠もって良い妻になろうとしたが、結局子供はできず、自分を無理に押さえたのもいけなかったのだろう。
そうするうちに実家が倒産して、一家離散の憂き目に遭う。ついに智恵子の精神は少しずつおかしくなっていく。
レモンをがぶりと噛む癖は、酸っぱいものを欲しがると言うことから、妊娠願望と考えられないかな。
どちらにせよ女は壊れる生き物だ。
女房を大切にしてください。
智恵子抄(1957) 東宝