美空ひばりの第一回主演作品。
澤井一郎、津島恵子、原保美、大坂志郎を引き立て役にして実質的主役の座に立つのは若干10歳の小娘だ。
彼らもこんな映画がいつまでも記念碑的映画として上映されると考えていなかっただろう。
申し訳ないが津島恵子を見るたびに美空ひばりのお姉ちゃんに見えてしまう。
スリル、サスペンスあり、横浜の当時の乱れた風俗もよくわかるような、あぶないところも一杯出てきて、
それでいて最後は横浜の浮浪者が協力して外国に売られ掛けた津島恵子を救出して悪党徳大寺伸を引捕まえる。
ひばりが「悲しき口笛」を歌うと行方不明になっていた兄原保美と出会い、大団円だ。
ひばりは第一回主演作から物怖じせず、リズム感も抜群だ。
途中、ブギウギを歌っていたが、あの場面が笠置シズ子の逆鱗に触れたのかな?
監督家城巳代治
脚色清島長利
原作竹田敏彦
悲しき口笛 1949 松竹