山本薩夫監督のプロダクションと俳優座の共同製作。
興業主に搾取される芸人一座が炭坑町のストライキに出くわし、労働組合とふれあううちに労働者意識に目ざめる。
クレジットとあらすじ
☆ネタバレ注意
「浮草・・」と言うから、松竹の旅芸人映画だと思っていたが、共産党映画だった。昭和30年にもなって、まだこんなことをやっていたのか。
「もう戦後ではない」と言われた31年まであと一年である。

労働者はみんないい人だ。資本家は悪い人だ。

そういうステレオタイプの見方に、この作者は何の疑いも持たない。
でもこれは軍国主義と大して変わりがないのではないか?
東野英治郎が座頭、松本克平が幹部、
江幡高志が女房に逃げられる情けない芸人、花沢徳衛も芸人仲間である。
浜田寅彦が労組の幹部、小沢昭一、井上昭文は労組の若手。
ここまでがいい人だ。
おそらくマルクスレーニン主義の勉強会に毎晩通っているのではないか(笑)
一方、悪い方は小沢栄が悪い興業主、中谷一郎がその子分、
高橋昌也が仲間の女房に手を出したり、興業主に可愛がられる二枚目と、はっきり色分けが出来る。
子供でもわかるようになってる。
この分かりやすい構造を見たら、よい子のみんなは疑って掛かりましょう(笑)
こういう芝居がリアリズムだと思ってたのだろうか?
主役の津島恵子がとても綺麗だった。色気を感じた。
彼女は孤児であり親方に拾われ育てられる役だ。
松竹映画のお嬢様役より、こういう威勢が良い方が彼女は綺麗に見える。
菅原謙二が入れ墨を背負う芸人で津島恵子の恋人役。
大映所属のまま出演していたが、彼は俳優座養成所から大映に進み、のちに新派に移った。
俳優座の面々とは顔見知りだから選ばれたか。
最後に「聞け万国の労働者」を歌いながら労組の若手・仲代達也と握手するシーンが笑える。
他にものちに東映でお姫様にまでなった岩崎加根子がブスな田舎娘の役で出てくる。
三池炭坑など、首切り=ストライキという時代があったとは今の子供は信じまい。
どうしてリストラでストライキをしないのか、今や誰も不思議に思わなくなった時代だ。
それもこれも社会党と共産党がだらしないから。