吉屋信子の原作を、水木洋子が脚色し、「警察日記」などの久松静児が演出した作品。
「百万ドルのえくぼ」と言われアイドルだった頃の乙羽信子が大活躍。
三橋達也も金をせびる馬鹿弟の役を好演。
船越英二が白痴ながら優しい主人を演ずる。
撮影は高橋通夫、音楽は古關裕而

派手なことは全くない映画。
一人で安宅家で養豚場を切り盛りしている嫁国子と、実の姉のように慕う弟嫁雅子のお話だ。

 

国子の夫宗一は生まれつき精神薄弱、執事の娘で嫁の国子が仕切っている。そこへ異母弟の譲二と妻の雅子が財産を食い潰し、屋敷へ移り住んできた。譲二はさらに事業に失敗し負債を大きくしたので、国子に清算してもらった。そういう恩がありながら、譲二は養豚場のストライキを図り、譲二夫妻は屋敷から追い出される。
しかし宗一が雅子を愛し始めていた。そのうち宗一は事故死して親族を含めて相続問題が起きる。

 

田中絹代の主演作だが、いつものように堪え忍んでいるだけで、彼女だけでは見せ場に乏しい。
その点、乙羽信子は若く美しいが、既にただのアイドル女優ではなかった。花はあったし、演技力もあった。
この映画は彼女に救われた。


三橋達也は、十津川警部役や無国籍映画での活躍が思い出されるが、僕としては小悪党のイメージが強い。「洲崎パラダイス赤信号」のようなだらしない男、つまり女の紐の役や「サラリーマン忠臣蔵」の女の腐った奴とかも印象深い。

最後の場面は、まだ弟が一悶着付ければ簡単には解決しないと思われるのだが、意外にあっさりと終わってしまう。映画の構成(水木洋子脚本)としては若干物足りなかった。

 

安宅家の人々 1952 大映

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