2004年01月15日(木)
No.109

監督 : 島耕二
脚本 : 須崎勝弥 / 赤坂長義
企画 : 土井逸雄
撮影 : 中川芳久
音楽 : 斎藤一郎

配役:
沢村晶子 (三谷かおる)◎
津村悠子 (中津川麻子)
若尾文子 (高梨英子)▲
南田洋子 (西川房江)△
長谷部健 (新田尚樹)
久保明 (房江と英子の同級生)
北原義郎 (新田の友人)
江原達治 (房江にラブレターを送る友人)
品川隆二 (新田の友人)
見明凡太朗 (英子の父)
東野英治郎 (房江の父)
千田是也 (かおるの父)
小沢栄 (麻子の父)
小田切みき (魚屋・倉田町子)○

性典映画の第一弾。
昭和28年と言えば、「青い山脈」から4年ほど経って、高校生の性の悩みも増してきた。

かおるは卒業を間近に控えた高校三年生。当時の高校三年生女子は妊娠についての性教育を受けることになっていた。実はかおるには誰にも言えぬ大きな秘密があった。かつて男性に襲われて処女ではなかったのだ。そのことを恋人の新田に知られる日がやってくることを恐れていた。
ある日、高校で事件が起きる。房江が英子の財布を盗んで、その場を男子学生に見られたのだ。教師は生理中のことだから表沙汰にはしなかったが、当の房江のショックは大きかった。
一方、後輩の英子はラブレターをもらう。差出人はわからなかったが、先生に打ち明けて正体を確かめてもらった。同級生の男子だった。英子はかおるおねえさまに夢中だったが、ようやく男の子も気になり始める。
房江は学校をずる休みをして、街でお金を拾った。家では父がお金に困っていたので千円立て替えたが、後でその金が拾ったものだとばれてしまった。父は烈火のごとく怒り、房江は家を追われた。そのとき中学時代の同級生で魚屋を営む真知子と出会う。真知子には何でも打ち明けられる房江だった。彼女はバイト先を見つけてくれて、千円も前借りしてくれた。
新田は悪友に絵を書きに行こうと誘われる。麻子に絵のヌードモデルになってくれと言うと、みんなの前でさっぱり脱ぐ。麻子は新田に気があるらしい。
かおるは卒業記念で湖のスケートに誘われる。新田と滑った後、休もうとロッジに入る。かおるの着替えを見て、新田が欲情し襲いかかってくる。かおるは新田を振りきり裸同然で雪の中へ駆けていった。ショックを受けたかおるはそのまま湖の中へ入り、自殺してしまう。
かおるの父は遺品を整理していて彼女の日記を読んだ。そこには心も体も汚された自分は生きていくことは出来ないと書かれていた。
もうあれから一年が経ち、学校では英子が性教育を受けている。

小津「東京暮色」の有馬稲子の自殺と比べると、沢村の自殺の方が分かりやすい。自分が処女じゃないってことがばれる恐怖に耐えかねて、衝動的に死ぬという気持ち。
50年経って、年齢を下って岩井俊二監督の「リリイ・シュシュのすべて」に繋がっていくのだが、その悩みの内容は変わっても、若者の悩みの大きさは変わらない。

しかしある点では少し異様な作品だ。父が四人出てくるが見明凡太郎はイイとして、その他は東野栄次郎、千田是也、小沢栄(太郎)の俳優座三羽烏である。性典映画なのに娘の父の演技がやたらと重厚である。
さらに魚屋の町子は、黒澤明監督作品「いのち」で志村喬の悩みを聞いてやる小田切みきじゃないか。この人も俳優座だったはず。配役がジャストミートすぎる。

そして主人公は絶世の美女・沢村晶子(アキコのちに美智子)、津村裕子、若くて歯並び矯正前の若尾文子、さらに既に老け始めていた南田洋子まで高校生役で出演している。
主役の沢村美智子はあまり大成しなかったが、根本りつ子似の美人だ。
この映画時点で十分年を食っていたと思われ、セーラー服に無理があったかも知れないが、全く問題ではない。
映画の中で下着シーンを演ずるのは沢村だけだが、ポスターか何かでもっといやらしい写真を見たことがある。
大映の力の入れ方がわかろうというもの。

十代の性典 1953 大映

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