母親が娘を載せて車を運転していて、交通事故に遭う。
娘は助かるが、母親は死んでしまう。
娘ポネットは、まだ四歳。腕のギブスから親指だけ出して、しゃぶってる年頃だ。
母親の死を理解できない。
回りの大人達も彼女を持て余し、その場しのぎの嘘で繕うが、娘は傷つくだけ。
イエス様は復活したと聴かされれば、どうして母親だけ復活しないのかと、ごねる。
頼るものを失い、自分の殻の中に閉じこもろうとするポネット。
やがて彼女は寄宿舎学校へ入れられる。
そこで父親や伯母から引き離され、新しい友達と出会い、虐めにも会い、カトリックの信仰に触れたりしながら、彼女は少しずつ自立を学んでいく。
ある日、彼女は一人で寄宿舎を抜け出して、母親の墓へ急ぐ。
友達に教えてもらった魔法の言葉や道具で、母親を生き返らせようとするが、望みは果たせない。
彼女の中でも、こういう作業が実は何の意味も持たないことに気付くだけの、大人の部分が育ち始めていた。
やがて疲れ果てた彼女は、墓場で眠ってしまう。
彼女は母親の夢を見る。
母親は優しく、彼女に接する。
しかし彼女は、その母親が夢の中の存在に過ぎないこと、自分の作り出した幻に過ぎないことを知っていた。
やがて二人に別れの時が来る。
泣きじゃくる彼女に母親は優しい言葉で諭して、別れを告げるのだった。
彼女を探して、父親が迎えに来た。
目覚めた彼女は、父親に微笑んで語った。
「ママに会ったよ。でもねえ、もうママは戻ってこないんだよ。
ママは言っていたよ。『楽しんで生きなくっちゃ』って。」

一時間半ほどの短い映画だが、泣くところは山ほどある。ハンカチなくしては見られまい。
母親の幽霊が最後に出てくる辺りで、少し好き嫌いが分かれるかもしれない。
しかし、母親の口癖だった「楽しんで生きなくっちゃ」という言葉の意味に娘が気づき、それを心の支えにして、娘が強く生きていく。
そのためには、母親の亡霊の登場も必要だったと思う。
フランス映画なので、音声はBGMは控えめで、台詞中心の配合だ。
映像の色合いは、ずいぶん緑かかっていると感じた。
女の子の微妙な表情の変化をきっちり撮るあたりは、フランス映画伝統の職人技だな。