ヴィム・ヴェンダース監督のカンヌ映画祭グランプリ作品。
フランス・ドイツの合作映画だが、中身は全部アメリカの話で、英語がほとんど。
ロードムービーという触れ込みだから、パリからテキサスまで行くのかと思うと、ずっこける。
パリスというのは、テキサスの街の名前だそうだ。
ロスで広告業を営む、ウォルトは、4年ぶりに兄が見つかったという報を聴き、急いでテキサスへ駆けつける。
兄のトラヴィスは記憶喪失になっていた。
ウォルトはもうすぐ8歳になる、兄の息子ハンターを引き取って育てていた。
トラヴィスとハンターは、最初の内はぎくしゃくしていたが、やがて父子らしさを取り戻す。
ハンターの母(N・キンスキー)は、トラヴィスが家出した直後に、ハンターをウォルトに預け蒸発してしまった。
トラヴィスはハンターと共に、妻を捜す旅に出かける。
やがてヒューストンで彼らは彼女を見つけるが、彼女は風俗嬢になっていた。
トラヴィスは、ハンターを彼女と会わせたものかどうか、悩む。

哀しい映画だと思うが、あまり泣けない。
男はかなり年上で、若すぎる妻とはギャップが大きすぎた。
その辺りの理由で、元の鞘に収まるのは無理だという話なのだろう。
ちょっと感情移入しがたかった。
家庭とは何かって言うことを主題に捉えている映画だ。
西洋的な家庭観と日本的家庭観の相違を思い知らされた。
西洋では愛し合う雄と雌の愛を大前提にしていて、その上で子供が存在するという考え方だ。
しかし日本だと子はかすがいであり、子供がいるから、夫婦が一緒にいられるみたいな発想だけに、観ていてちょっと圧倒された感じがする。
ナスターシャ・キンスキーは美しい。
それまでは鱈子唇ばかりに目がいって、セックスアピールが強すぎたが、今回は母親の役ということで、化粧や着物こそ派手だったが、内面的な母性愛を強く感じさせた。
僕としては、きれいな女優が出てきて、幸せになってくれれば、それだけで満足である(笑)
上映時間2時間20分と、ちょっと長い。