純粋なドキュメンタリー映画と言えない映画。本人以外の俳優が演ずるセミ・ドキュメンタリー(再現ドラマ)とも違うのだが、言わばカット割りがあるドキュメンタリー映画だ。
監督はヴィム・ヴェンダースで、大先輩ニコラス・レイ監督の死に至る過程を描いている。出演者はヴィム・ヴェンダース、ニコラス・レイ、トム・ファレル、スーザン・レイら。
主題歌はヴェンダースの妻ロニー・ブレイクリーが歌っている。この翌年、二人は別れる。
ドキュメンタリーにヴェンダースを出演させるのは、ニックのパートナー、スーザン・レイのアイデアだそうだ。
 

 

 

あらすじ

 
映画「ハメット」のシナリオをフランシス・フォード・コッポラに渡したので、ひとまず自由になったヴェンダースは、以前一緒に映画を作ろうとニコラス・レイとした約束を守る為、彼を訪れる。ところが病院から退院したばかりのニックは、癌の進行が早く映画製作どころの状況でなかった。
そこで計画を変更し、ヴェンダースが死ぬ間際のニックのドキュメンタリーを撮ることになる。何度もリハーサルを繰り返すこともできず、35ミリから8ミリ、ビデオカメラまでサイズの違うカメラを回して撮影した。
体の痛みの激しい時には、撮影を断念しなければならない。それでも学校での「不屈の男たち」の上映会に続いてニックの講演会や、舞台演出の様子をカメラに収めた。しかし収録のたびに弱っていくニックを見て、ヴェンダースは撮影することで死期を早めているのかと自問する。そして、一切をやり遂げたいと言う気持ちも募る。結局最後に入院したままニックは亡くなる。
その後、船上で打ち上げが行われる。その打ち上げは今まで抑圧されて来た何かが弾けたような明るさがあった。
 

雑感

 
ニックは最初から髪の毛が抜けてしまって8ミリで撮った素の映像では弱々しいのだが、35ミリで撮った本番映像ではキリッとしている。
そのうちに35ミリの映像を撮影することは目に見えて減り出した。そしてとうとう亡くなってしまう。
はたしてこの映画の意味は何だろうか。死の意味?それとも死そのものなのか。

 

 

スタッフ・キャスト

 
監督・脚本・製作 ヴィム・ヴェンダース
撮影 マルテイン・ファレル、エド・ラッハマン、トム・ファレル
音楽  ロニー・ブレイクリー

 
配役 
ヴィム・ヴェンダース、ニコラス・レイ

 

 

ニックス・ムービー/水上の稲妻 Nicks Film/Lightning Over Water 1980 西独+スウェーデン+豪州製作

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