「指輪物語」や「ホビットの冒険」の原作者であり、現代ファンタジーの礎を築いた作家J・R・R・トールキンの前半生を伝記映画にした。
ファンタジー世界が如何に創り出されたのか明かされる。
主役トールキンを演じるのは、ニコラス・ホルト
共演はリリー・コリンズ、トム・グリン=カーニー、アンソニー・ボイル、パトリック・ギブソン
 
 

あらすじ

 
1916年トールキンは第一次世界大戦に従軍していたが、激戦地に赴いた友人を探しに塹壕からフラフラと彷徨い歩く。やがて死体の山まで来ると、トールキンはついに動けなくなり、その場に横たわりこれまでの人生を回想する。
 
父を早くに亡くしたトールキンは、母と弟ヒラリーと英国のセアホール・ミルという町に暮らした。母は兄弟に想像力を掻き立てる方法をいくつも教えてくれた。しかし、バーミンガムに移ってから、病弱な母は急死する。
フランシス・モーガン神父が後見人となり、トールキンはフォークナー夫人宅で暮らす。そして語学が堪能なことから、バーミンガムのパブリック・スクールであるキング・エドワード校に奨学金をもらって通う。
最初のうちは、造語(言語を創造)をするほどの語学の天才であるが故にトールキンは孤立していた。彼は、校長の息子で画家志望のロバートと喧嘩をしたことから、ロバート(画家志望)、ジェフリー(詩の才能があり劇作家志望)、クリストファー(作曲家志望)と意気投合する。
彼ら四人はバロウ喫茶室に通い、議論を戦わせた。彼らはこの集まりを、略して<T.C.B.S.>と名付けた。
トールキンは、フォークナー夫人の家に下宿しながらピアニストを目指すエディスとも互いに孤児ということもあり愛を深める。
 
ジェフリーとトールキンはオックスフォード大学を、ロバートとクリストファーはケンブリッジ大学を目指す。ところが、トールキンはエディスのことに夢中で試験前日にワーグナーの楽劇「ラインの黄金」を舞台裏に忍び込んで観賞してしまう。その結果入試に失敗する。モーガン神父は「後見が終わる21歳までエディスとの交際を禁じる」と言い渡す。トールキンはエディスに愛を誓うが、エディスは家庭教師の職を得てフォークナー家を去る。
 
トールキンは、浪人してオックスフォードに合格したが、成績が振るわず、奨学金打ち切りの通告を受ける。さらにエディスからの婚約の知らせが届いて、荒れてしまう。しかしTCBSの仲間はトールキンを支えた。
そんな時、言語学のライト教授がトールキンに声を掛ける。思い切って、歴史学から言語学科に転科してから、トールキンはやる気を取り戻した。
 
 
英国が第一次世界大戦に参戦する。T.C.B.S.のメンバーたちも志願して、出兵前最後のパーティで軍服姿で4人そろって記念写真を写す。出発前の港にはエディスも到着し、二人は愛を確かめ合う。その上で4人はそれぞれに戦地フランスに赴く。
 
ドイツ軍との銃撃戦の最中に、トールキンは回想から現実に戻る。戦場に彷徨い出てトールキンが「ジェフリー!」と叫ぶと「ロナルド!」と叫び返す声が聞こえた気がする・・・。
 
 

雑感

 
映画は、言語学の教授になってファンタジーの創作を発表するようになるまでを描いている。
仲間との交流とエディスとの交際を並行して描いているので、どちら着かずになっていると思う。パブリック・スクールの仲間との交流を主にして書くべきだと思った。
「指輪物語」と結びつけるため、エディスとのワーグナー作曲「ニーベルングの指環」の「ラインの黄金」に関するエピソードを映画に入れているが、要らなかったのではないか?
評論家の評価は低かった。
 
 
しかしトールキンの言語を作り出す能力は凄い。トールキン文学が、ライトノベルとは全く違うわけだ。
トールキンの本名は、ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンだ。ジョンではなくてロナルドと呼ばれることが多かったみたいだ。
 
 

スタッフ

 
監督  ドメ・カルコスキ
脚本  デヴィッド・グリーソン、スティーヴン・ベレスフォード
製作  ピーター・チャーニン、デイヴィッド・レディ、クリス・サイキエル、ジェンノ・トッピング
音楽  トーマス・ニューマン
撮影監督  ラッセ・フランク
 
 

キャスト

 
J・R・R・トールキン  ニコラス・ホルト
恋人エディス・ブラット  リリー・コリンズ
言語学ライト教授  デレク・ジャコビ
友人クリストファー・ワイズマン  トム・グリン=カーニー
友人ジェフリー・スミス  アンソニー・ボイル
友人ロバート・ギルソン  パトリック・ギブソン
フランシス神父  コルム・ミーニー
J・R・R・トールキン(少年時代)  ハリー・ギルビー
ジェフリー・スミス(少年時代)  アダム・ブレグマン
ロバート・ギルソン(少年時代)  アルビー・マーバー
クリストファー・ワイズマン(少年時代)  タイ・テナント
 

ネタばれ

 
戦争が終わり、トールキンは英国の病室で目を覚ます。エディスが、瀕死のトールキンを世話して回復させた。しかし、ジェフリーとロバートは戦場で命を落とした。
やがてトールキンとエディスは結婚。トールキンはオックスフォード大学の教授として働きながら、ファンタジーの創作活動を本格的に始める。
ある日、トールキンは作品について話しますとき、何より書きたいのは仲間についての物語だと言う。

 

トールキン 旅のはじまり Tolkien 2019 チャーニン・エンタメ製作 フォックス・サーチライト配給 20世紀フォックス国内配給

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