アイルランドの巨匠ニール・ジョーダン監督(「狼の血族」、「インタビュー・ウィズ。バンパイヤ」)が英国に渡り、自ら脚本(アカデミーオリジナル脚本賞獲得)をものして、撮った快作。
IRAは仲間の釈放を求めるため、英国兵士ジュディ(F・ウィテカー)を誘拐する。
見張り番のファーガス(Sレイ)は、ジュディと心を通わせるようになる。
ジュディはもし自分が死んだら、恋人を頼むと彼に言い残し、逃亡途中、トラックにはねられ死んでしまう。
ファーガスはロンドンに潜伏し、正体を隠してジュディの恋人ディル(J・デビッドソン)に近づく。
ディルの不思議な魅力に惹かれ、彼女の部屋を訪れるが、彼女の服を脱がすと、彼女は男だった。
ノンケのファーガスは、慌てて部屋から逃げ出してしまう。
しかし恋人ジュディを失い精神のバランスを崩しつつある、ディルを放っておけない。
ファーガスは人前でだけ、ディルの恋人の役を演じてやることにした。
ディルはそんな関係でも、無邪気に喜んでくれる。
ある日、ファーガスにIRAから英国判事の暗殺指示が来る。
組織はディルの存在もまた嗅ぎつけていた。
ファーガスはディルを組織から、かくまおうとするが、ディルは応じない。
そこでファーガスは暗殺前夜、いままで黙っていた秘密を告白する。
その場は睡眠薬で寝てしまったディルだが、翌朝、ファーガスが目を覚ますと、ディルは拳銃をこちらに向けていた。

カルチャークラブの「クライングゲーム」に乗せて、悲しくも、どこか笑える、決して結ばれることのない恋の物語。
脚本には、彼女が「男」だという手がかりが、あちこちに散りばめられているのだが、主人公のスティーブン・レイ同様に騙される人も多いのではないか(笑)
男だとばれた後も、お弁当なんか作ったりして、一層女らしく、甲斐甲斐しくなってしまう、ディルと、そんな彼女を突き放せない、ファーガスの優柔不断も笑いを誘う。
本来、映像が美しい映画作家なのだが、レンタルビデオで見たため、さほど感じられなかったのは残念。