「プリティウーマン」、「プリティブライド」のゲイリー・マーシャル監督作品。
主題は一言で言って、「障害者の性」。
一つ間違えると重くなる題材だが、マーシャル監督が軽いコメディタッチで、しかし流されることなく、しっかりとメッセージを伝えてくれる。
お話は、サンフランシスコの上流階級の娘カーラ(ジュリエット・ルイス)が寄宿舎学校を卒業して実家に戻るところから始まる。
彼女は軽い知的障害を持っている。
家族は三女の帰宅を昔同様に温かく迎えるが、カーラ自身はすでに昔の彼女ではなかった。
彼女は専門学校へ通って技術を身につけたいと言いだし、母(ダイアン・キートン)を困らせる。
専門学校へ入学したカーラは、やがて同じハンデを持つ青年ダニエルと仲良くなる。
彼女は彼が一人暮らしをしているのに刺激され、独立して一人でアパートで生活を始める。
そして、二人の間に愛が芽生え、自然と結ばれる。
次女の婚約パーティーの席上、酔ったダニエルは、カーラとの関係を人前でべらべらと喋ってしまう。
カーラは激怒して大喧嘩となり、ダニエルは母親のいるフロリダへと去っていく。
ダニエルを失って初めて、カーラは愛の素晴らしさ、哀しさを思い知る。
次女キャロラインの結婚式当日、式場で誓いの言葉が読み上げられている。
そのとき、ダニエルが「卒業」のダスティン・ホフマンよろしく、忽然と現れ、あっけに取られる人々の前で、カーラとの結婚宣言をぶちあげる。
カーラは喜んで受諾するが、母はぶち切れてしまう。

個人的には障害者の結婚なんてとんでもない、面倒が増えるだけって程度にしか考えていなかったが、芸達者のジュリエット・ルイス(「ギルバートグレイプ」、「ナチュラルボーンキラーズ」)に演じられると、うーんと考えされられちゃう。
自活する能力が無いからといって、男女関係の権利まで奪うわけにはいかない。
でも子供を産めるのか、育てられるのかという問題も残る。
回りの理解が無いと、かなり難しい問題だし、ケースバイケースなんだろう。
映画としては、前半のキャラクター紹介が、ややスローペースに感じられた。
じっくりと性格を描きたかったのだろうが、もう少しリズム感を出して欲しい。
後半はテンポが良い。
ほろっと来るところもあるが、基本的に明るく軽い乗りで楽しめる。
主役のジュリエット・ルイスは、典型的な性格女優で、お世辞にも美人とは言えない。
さらに、ちょっと器用貧乏な所がある。
同じマーシャル監督でも、ジュリア・ロバーツが出てきたら、前半も後半もなく、どんな場面でも画面の中心から梃子でも動かないのだが、ルイスはそういう120%の押しの強さは無い。
その辺が物足りなければ、この映画自体も物足りないかも知れない。
しかし、後半の見せ場では、彼女は、きっちりと仕事をしている。
要はメリハリのある演技を見せている。
前半のダルな展開を我慢してくれれば、後半は彼女の演技力を十分に楽しめる。
正直言って、ジュリエットの演技力の前では、母親役のダイアン・キートンなんて目じゃない。
ビデオ屋では、ほとんど誰にも観られていない内に一週間貸し出しコーナーに流れてきたらしく、ビデオなのに画像がずいぶんきれいだった。
でも「プリティブライド」よりずっとお薦め。
「プリティブライド」を見た人なら、同じ監督が同じ時期に、結婚の全く別の面を描いた、という意味で必見。