’75年度カンヌ国際映画祭審査員特別賞国際映画批評家連盟賞受賞、ニューヨーク・フィルムフェスティバル最優秀映画賞受賞作品。

この話は実話に基づいている。

19世紀初頭に今のドイツのある広場で発見された16才の青年カスパーは、立てもせず喋れなかった。いったいこの男はどこで生まれて、どうしてここへやって来たのか?映画はカスパー・ハウザー出現その後を描く。

 

 

あらすじ

 

カスパーハウザーは1828年にバイエルン王国ニュールンベルグの広場で発見された。そのとき彼は足の力が弱くて歩けず、白馬という言葉しか話せなかった。
彼は幼いときから幽閉されていたが、ある時から謎の男が面倒を見るようになり、文字を教えたそうだ。
彼は「大尉の家で預かって騎士にしてやってくれ」と書かれた手紙を持っていた。役所で預かっていたが、税金の無駄遣いと言われ、見世物小屋で働くことになる。しかし繊細な彼は笑い者にされて傷付く。
見かねたダウマー教授が彼を預かって2年が過ぎた。彼は情操教育を受けて、ピアノの音に感動する。しかし神の存在について理解できない。
スタンホープ伯爵が現れ、英国に連れて帰りたいと申し出る。手始めに社交界にデビューさせてみるが、人の目を嫌がるカスパーはすぐ篭ってしまう。結局、カスパーは教授に返される。
カスパーは教授の家に戻ってから、謎の男に2度襲われる。一度は殴られ、一度は刺されて、その刺し傷が致命傷となった。享年21歳と考えられている。
犯人は最初にカスパーに文字を教え広場へ連れ出した男らしかったが、結局分からなかった。

 

雑感

 

どこまで真実を語っているのか。最初の白馬の話からヘレン・ケラーのようだ。もちろんヘレン・ケラーより古い話なのだが、一層胡散臭い。多くの証拠をとなっていない伝説が事実に紛れ込んでいるようだ。
19世紀初頭は日本で言えば、寛政の改革が行き詰まり、徳川家斉が大御所として権勢を誇った文化文政時代で、幕末の英雄が生まれた頃である。記録が伝聞を基にしていても仕方がない。
さらに当時のドイツの封建制が影響していて、国をまたぐと情報が交換されなかったことも混乱に拍車をかけた。
どっちにしろ完全犯罪というのは、捜査する側がやる気を出さなかったから発生することだ。
主演のブルーノ・Sは施設で育ったストリート・シンガーだ。ヘルツォーク監督はもう一作品でも主演として起用している。

スタッフ・キャスト

 

監督・脚本 ヴェルナー・ヘルツォーク
撮影 ヨルク・シュミット・ライトヴァイン
音楽 パッヘルベル 、 オルランド・ディ・ラッソ 、 アルビノーニ 、 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト

配役
カスパー  ブルーノ・S
ダウマー教授  ワルター・ラーデンガスト
カテ  ブリジット・ミラ
ラコニュ  ハンス・ムゼウス
シュタンホーペ伯爵  ミカエル・クロエシャー

 

カスパー・ハウザーの謎 (Jeder für sich und Gott gegen alle)1974 西ドイツ

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